地元の大松「一松」に 和歌浦小6年が命名

和歌山市和歌浦西の和歌浦小学校の6年生21人が、地元の玉津島神社(同市和歌浦中)の背後にある奠供山(てんぐやま)の麓に生える大きな松の名前を考え、「一松(いっしょう)」に決まった。

大松は、和歌の浦周遊の拠点として整備中の新施設予定地のそばにあり、荒れた岩肌が香木の伽羅(きゃら)に似ていることから伽羅岩と呼ばれる大きな岩を持ち上げるように空へ伸びている。

6年1組担任の見翔平教諭(32)によると、昨年12月、児童らが奠供山周辺の校区探検を行った際、より知識を深めてほしいと玉津島保存会の渋谷高秀会長が地域の歴史などを解説。それがきっかけとなり、渋谷さんが松を管理する市に、児童たちが名付け親になることを提案。6年生にとっては卒業直前の思い出づくりとなった。

14日には渋谷さんが見守る中、児童たちが事前に考えた案から絞られた八つの名前を、提案した児童らがプレゼンテーションした。一松の他、候補に上がったのは、ワキャラ松▽育並松(そへいまつ)▽師松(ししょう)▽ペペング松▽靖饗樹(せいきょうじゅ)▽聖命(せいみょう)松▽永和(とわ)――。児童たちは、名前に込めた意味や願いを発表し、最終的に多数決で一松に決定した。

一松を提案した芝㟢慧子(12)さんは「音読みのイッショウに、一勝、一生、一笑などさまざまな同音異義があり良いと思った。歴史を知ることができたし、とても貴重な機会をもらった」と笑顔。道場美沙希(12)さんは「一つの名前だけど、人それぞれの捉え方があっていい。和歌浦に住んでいるからこそ、(名前付けに)いろいろな意味があった」と話した。

見教諭は「子どもたちにとって、貴重な経験になった。これが地元愛につながり、これからも和歌浦を大切に思ってほしい」と話した。

「一松」の名がついた大松

「一松」の名がついた大松