日本ユニスト 和歌山市にシステム開発拠点

和歌山市は7日、世界遺産の熊野古道沿いで宿泊施設を運営する㈱日本ユニスト(本社=大阪市西区)と進出協定を締結した。同社は、ことし2月に美園町にオフィスを開設し、複数の宿泊施設をまとめて予約できるシステムを開発中。熊野古道周遊に活用することで、世界遺産の価値を国内外にPRすると同時に、拠点でのITエンジニアの雇用創出も期待される。

同社は2011年に設立。不動産売買や開発、コンサルティング業を行う他、熊野古道沿いで2カ所の宿泊施設「SEN.RETREAT(センリトリート)」のホテルを運営している。

今後の熊野古道へのインバウンド需要を見込み、関西国際空港に近い同市をシステム開発拠点に選んだ。美園町に開設した和歌山オフィスでは、6人のIT人材を雇用する予定。

進出協定調印式は市役所で行われ、尾花正啓市長が「IT人材の流出が問題となっており、和歌山市で活用いただけることはありがたい。周遊型の予約システムの構築に、これからの観光業の大きな可能性を期待する」と歓迎した。

同社の今村亙忠社長は「熊野古道を不動産目線で歩いた時に、(想定する所に)宿泊施設があることで、熊野古道自体の価値が上がると直感した。世界遺産登録を知らない日本人は多いが、逆に海外の人には人気が出てきている。熊野古道から和歌山市を盛り上げ、さらに広域で活性させていきたい」と話した。

協定書を手に(左から)尾花市長、今村社長