落語とタップ、粋な出合い 楽しむ会に80人

落語とタップダンスを楽しむ「噺と舞の会」が26日、和歌山市直川の北コミュニティセンターで開かれ、約80人が、あまり出合うことのない二つの芸能を楽しんだ。「桜亭不二子」として活動する同市のアマチュア落語家・古川素美さんが、気軽に落語や文化芸術に親しんでもらおうと企画し、今回で2度目の開催。

表情豊かに演じる桜亭不二子さん

表情豊かに演じる桜亭不二子さん

会場の笑いを誘う龍門亭梅安さん

会場の笑いを誘う龍門亭梅安さん

不二子さんの他、交流のある紀の川市の龍門亭梅安さん、県内唯一のタップダンス教室「スタジオぽこ・あ・ぽこ」(岩出市、田中美和代表)のメンバーが出演した。

不二子さんの演目は「平林」。落語家の鈴々舎馬るこさんが演出した内容に、独自のアレンジを加えて披露。丁稚の定吉が、平河町の平林さんに手紙を届けるよう頼まれるが、「平林」の読み方が分からなくなり、通りかかった人々が、読み方をさまざまに答えるはなしで、歌謡曲を交えながらテンポ良く演じ、客席を沸かせた。

梅安さんは「時の氏神」を披露。友達同士のけんかを、2人の兄貴分が仲裁を買って出て、騒動に巻き込まれるはなしを面白おかしく伝えた。

落語の合間には和と洋のタップダンスのステージがあり、総勢11人のメンバーが「紀州つれもて音頭」「鞠と殿様」など、和歌山を題材にした楽曲や昭和歌謡に乗せて軽やかにステップ。鳴子や扇子を手に踊り、軽快な靴音が響いた。

来場した、以前タップダンスを習っていたという和歌山市の女性(73)は「温かいステージで感動しました。落語とタップは相乗効果があって興味深かったです」と笑顔。古川さんは「予想以上にたくさんの人に来ていただき、感激。『初めて生で落語を聞いて楽しかった』と言ってくれる人もいて、良かった。皆さんにもっと楽しんでもらえるよう、これからもいろんな企画をしていきたい」と話していた。

軽快にタップを踏む「スタジオぽこ・あ・ぽこ」のメンバー

軽快にタップを踏む「スタジオぽこ・あ・ぽこ」のメンバー