再び子どもの歓声響く 旧吉原分校でイベント
廃校になった吉原分校の校庭に、力強い和太鼓の演奏が響く。5月の大型連休中には巨大シャボン玉遊び、木工づくりなどの体験が用意され、一日じゅう子どもたちの元気な声が校庭にあふれた。
保存・活用に向けた活動を広く知ってもらい、地域と交流を図ろうと、実行委が市の許可を得て校庭を開放。住民らが緑の芝生が広がるスペースで思い思いに過ごした。
かつての学びやに特別な思いを寄せる人は多い。
「この地域で、これほどたくさんの子どもの姿を見るのは久しぶり。にぎやかで活気があるのはいいですね」
分校の卒業生で、地域に住む柏木利洋さん(59)は笑顔を見せた。父親、息子と3世代で分校の出身。「ここでの体験は貴重な思い出。地域の憩いの場として何とか有効活用してもらえればありがたい」と話す。
分校の卒業生で、大阪府泉佐野市に住む分部輝美さん(57)は、今も時々地元に帰ってきては、名草山へ登るという。この日も運営をサポートし「建物だけでなく、この地域には神が宿るような特別な力を感じます。校舎を残したいという同じ願いを持つ人たちの輪が広がれば」と話していた。
30日に開放イベント
実行委では30日に校庭でイベントを開く。地元産業であるメリヤスの生地を使った巾着袋作り、バルーンアート体験、木のペンダント作りなどがある。
入場無料。午後1時半から4時まで。雨天決行。駐車場がないため、徒歩や自転車などでの来場を呼びかけている。
問い合わせは実行委員会事務局の「いらなみのりこメンタルケアクリニック」(℡073・423・3662)。