済南市で記念会談や祝賀会 県の訪問団

友好提携40周年記念会談を行う岸本知事㊧と林書記㊨
友好提携40周年記念会談を行う岸本知事㊧と林書記㊨

【済南=わかやま新報】和歌山県と中国・山東省の友好提携40周年を記念して訪中している岸本周平知事をはじめとする官民の訪問団は22日夜、省都・済南市のホテル山東大厦で記念会談と記念祝賀会に臨んだ。両県省が地方政府間や民間、青少年などの交流を40年にわたり維持、発展させてきたことが、日中両国の友好に貢献してきた意義や、さらなる交流の促進を目指すことを確認し合った。

林武・山東省共産党委員会書記と岸本知事の記念会談には、鈴木太雄県議会議長と日中友好県議連盟の井出益弘会長らが同席した。

林書記は、両県省が実績を重ねてきた環境保護や介護福祉の分野の交流をはじめ、人的交流、文化交流をさらに進めたいとし、「知事の今回の訪問によって、山東省と和歌山県の友好はさらに深まり、両国の地方同士の友好交流は必ず新たな段階に進むと確信している」と述べた。

岸本知事は、両県省の交流の中でも特に青少年交流を重視し、高校生や大学生の相互訪問が継続されていることに謝意を伝え、「国と国とはいろんな問題がどうしても起きる。しかし、青少年の交流を続ければ、若い人たちが仲良くなり、長い目で見た時に日中の友好は揺るぎないものになる。この40年、民間、青少年、地方政府の草の根で友好関係が続いた。次の40年も頑張りたい」と話した。

記念会談に続いて行われた記念祝賀会には、訪問団と山東省関係者ら約100人が出席。4月に来県した省訪問団の団長を務めた白玉剛・省共産党委員会常務委員兼宣伝部長、斎藤憲二在青島日本総領事らがあいさつし、出席者は夕食を交えて歓談した。

中国とゆかりが深い和歌山の歴史や名所を取り上げた山東テレビ制作の映像、山東出版グループが出版した友好提携40周年記念写真集が紹介され、山東省の子どもたちによる日本の歌の合唱、雑技バレエのパフォーマンスなども行われ、会場は盛大な拍手に包まれた。

岸本知事らの訪中は26日まで。23、24日は、県が同じく友好提携している四川省を訪問し、省幹部との会談や成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地の視察などを行う。25日は、県と連携の覚書を締結している首都・北京の清華大学を訪れ、和歌山大学、高野山大学との連携などについて意見交換し、26日に帰国する。  (須磨伸一)


【済南市】山東省中西部に位置する省都。面積は1万244・45平方㌔㍍、人口は約920万人。「泉城(泉の街)」と呼ばれ、「天下第一の泉」とたたえられる趵突泉(ほうとつせん)をはじめ、72もの自噴する名泉を有する。1983年に和歌山市と友好提携し、趵突泉公園には記念碑が建つ。隋の時代(6世紀末)に多くの摩崖仏が彫られた名所「千仏山」には、同市が1993年に植樹した100本の桜がある。