母校の後輩にエール 銅メダルの東晟良選手

フェンシング部の部長若野さんと後藤監督から花束のプレゼント
フェンシング部の部長若野さんと後藤監督から花束のプレゼント

パリ五輪のフェンシング女子フルーレ団体で銅メダルを獲得した和歌山市出身の東晟良選手(25)=共同カイテック=が26日、ふるさとに凱旋し、県庁や市役所、母校の県立和歌山北高校などを訪れ、地元からの祝福に笑顔で応えた。

五輪のメダル獲得は、フェンシング日本女子史上初の快挙。東選手は8月1日、上野優佳、宮脇花綸、菊池小巻の各選手と共に女子フルーレ団体に臨み、準決勝で世界ランク1位のイタリアに敗れたが、3位決定戦でカナダに33対32で競り勝ち、悲願の銅メダルに輝いた。

母校の和歌山北高校では、全校生徒約900人が体育館で始業式を終えた後、東選手が登場し、銅メダル獲得報告会が開かれた。

東選手の恩師であるフェンシング部の後藤真徳監督(36)と、同部キャプテンの若野あずささんが花束を贈呈。東選手は「オリンピックは誰でも目指せるもの。(スポーツを続けていると)うれしい気持ちより、悔しい気持ちが多い。苦しくても諦めずにやってきたから、こうしてみんなの前で報告ができると思う。こつこつやっている人は諦めずに夢に向かっていってほしい」と後輩を激励した。

東選手を小学校4年時から指導した後藤監督は「テレビの前で興奮した」と話し、「せらって呼んでいたけど東選手って呼んだ方がいいのかな」と笑顔。「練習が終わった後も個人でトレーニングを続け、努力を欠かさない選手だった」と振り返り、「東選手のおかげでフェンシングを志す子どもたちが増えてくれるとうれしい」と期待を寄せた。

校内にはメダル獲得を祝う垂れ幕を掲揚。卒業生オリンピアンに名前が追加され、学校全体で東選手を祝福している。

今も年に1回は同校でフェンシングの指導をしているという東選手は「和歌山の皆さんの応援が力になりました。4年後のロス五輪目指して頑張っていくので引き続き応援よろしくお願いします」と話していた。