フランス産しょうゆ完成 ワイン樽醸造の逸品

完成したしょうゆを瓶詰めする新古代表(湯浅醤油提供)
完成したしょうゆを瓶詰めする新古代表(湯浅醤油提供)

和歌山県湯浅町湯浅の湯浅醤油㈲(新古敏朗代表取締役)がフランス、サンテミリオンのワイナリーと共同醸造した黒と白の2種のしょうゆが完成し、10月1日に自社店舗と自社ECサイトから、黒しょうゆ「SHINKO NOIRE(濃口醤油)」を限定200本で発売する。白しょうゆの発売はない。

黒しょうゆ「SHINKO NOIRE」(200㍉㍑、1万800円)は、2023年3月、ボルドーの8大シャトーに数えられる、サンテミリオン1級シャトー・オーゾンヌのワイン樽に2500㍑を仕込んだもの。

ワイン樽でしょうゆを造る挑戦は、新古代表が14年に、ボルドーで木樽に長期熟成させて香りや味わいが増すワインの在り方を見て「同じ発酵食品であるしょうゆも世界に知ってもらえるのでは」と、可能性を感じたことがきっかけ。

新型コロナウイルス感染症拡大により一時、しょうゆ造りはストップしてしまうが、23年にシャトー・クーテットのオーナー、アドリアン・ダヴィド・ボーリュー氏が事業パートナーとなり、新たなスタートを切った。

今回発売される黒しょうゆは、フランス産のオーガニック大豆と小麦、塩田で造られたイル・ド・レの塩をワイン樽で仕込んだもの。熟成期間は12カ月。

フランス有機認証を取得し、透き通った黒色で甘みがあり、後味は軽やかな仕上がりになった。硬水で仕込まれているため、フランス料理との相性は抜群だという。 

白しょうゆ「SHINKO BLANCHE(白醤油)」は、黒しょうゆと同時期にステンレス製のタンクに1300㍑を仕込み、同年11月に完成した。

24年にどちらもフランス国内で販売を開始し、完成した9000本のうち、7000本が3カ月で売れた。ミシュランの星獲得店25社ほどにも卸し、人気が高まっているという。

黒しょうゆの購入は自社ECサイトから。