重点施策5項目は継続 県の来年度予算編成方針
岸本周平和歌山県知事は1日、県の2025年度重点施策と予算編成方針を発表した。依然として厳しい財政状況が見込まれる中、前年度に続いて「こどもまんなか社会の推進」など5項目の重点施策に沿って、限られた財源を効率的に配分して予算を編成するとしている。
重点項目は「こどもまんなか社会の推進」と「成長産業の創出」「農林水産業、観光産業をはじめとする地域産業の強化」「人口減少下におけるまちづくり」「安全・安心で心豊かに暮らせる社会づくり」。これらの事項に重点的に取り組むことにより、人口減少、超高齢化の加速、脱炭素・循環型社会に向けた構造転換、デジタル技術の進展、共生社会の進展、行政間や官民の連携など、社会環境の大きな変化への対応を図る。
前年度は、政策的経費を一律で15%削減するマイナスシーリングを実施したが、岸本知事は「ほぼ無駄な経費はなくなり、乾いた雑巾を絞ったような状況になっている」とし、25年度は行わない。
厳しい財政状況を踏まえ、重点施策や新たな財政需要には既存事業のスクラップアンドビルド、改廃によって対応。政策的経費は、各部局で事業の優先順位を見直し、より効果や必要性の高い事業に組み替えることを徹底する予算要求枠「部局マネジメント枠」で措置する。
開始から5年を経過した事業については事業の実績や効果を検証し、存廃を含めた見直しを行うとしている。岸本知事は「5項目の柱が必要な状況は全く変わっていないので、それぞれ深掘りしていく。効果があった政策は、より効率的、効果的にブラッシュアップしながらやっていく」と話した。