西医体で準優勝 県立医大ラグビー部

西医体を準優勝し笑顔の選手ら
西医体を準優勝し笑顔の選手ら

和歌山県立医科大学ラグビー部は、兵庫県であった第76回西日本医科学生総合体育大会(通称・西医体)で準優勝を果たした。1983年の創部以降、毎回出場している中での最高成績だった8強入りを幾度の逆転劇で大きく塗り替えた(写真は同部提供)。

田中宣人監督(75)が重点を置いてきた「最後まで諦めない心」を胸に後半の粘りが光った。初戦で神戸大に15―7、2回戦では大分大に19―17といずれも逆転勝利。大分大戦は残り2分で試合をひっくり返した。

準々決勝の川崎医科大戦では0―12と劣勢で試合を折り返すも、森朱門主将(20)は「ここまで来たからには決勝まで行くぞ。今までやってきたことを信じろ。逆転できる」とチームを鼓舞。勢いづいた県立医大は後半、2トライと2本のコンバーションキックを決め14―12で劇的勝利を収めた。

準決勝では福井大を相手に14―10とリードを守り切った。決勝では大阪・奈良県立・京都大合同に19―26で敗れたが、西日本の医学部生による32チームの中で準優勝と部の新たな歴史を刻んだ。

大会を通して練習で取り組んできたプレーを遺憾なく発揮した。積極的に前線へキックでボールを送り、相手陣地内でプレーする機会を多く演出。加えて前線からの積極的なディフェンスと速いパス回しが導いた結果だった。

田中監督は「25年の監督生活の中で今までにないチームワークがある」とも話す。県立医大は医学部生の選手21人のうち入部以前の経験者は5人のみ。だからこそ森主将は「技術面を中心に分からないことを積極的に相談し合える関係性づくりに取り組んできた」と語る。大会を振り返り「西医体で引退する6回生に決勝の景色をと挑んだ。目標は優勝だったがうれしい。最後まで諦めずに走り切ることができた」と笑顔を見せた。「次は西医体優勝を目標に今ある力を伸ばしていきたい」と意気込んでいる。