有吉佐和子原作の「三婆」 劇団ZEROが上演

いがみ合う3人と周囲の人が巻き起こす騒動を演じる
いがみ合う3人と周囲の人が巻き起こす騒動を演じる

和歌山市を拠点に活動する劇団ZERO(島田忠代表)は、ことし1月の公演で好評を得た舞台「三婆」を、よりパワーアップさせ11月2と3日、同市の和歌山城ホール小ホールで上演する。

1961年に発表された有吉佐和子の小説『三婆』を原作とした舞台作品。

夫に先立たれた正妻、愛人、義妹が、いがみ合いながらもそれぞれに変化していく姿と、周囲の人たちが巻き起こす騒動を描いている。

物語の舞台は昭和38年の初夏。金融業を営む武市浩蔵が、愛人宅の風呂場で倒れ急逝。一代で会社を大きくした浩蔵だが、死んだ後に残ったのは莫大な借金だけ。その返済のため浩蔵の妹の家と、本宅の裏庭の一部を売却。本宅だけは本妻に残され、妹と愛人が転がり込み、3人の奇妙な共同生活が始まる。三婆たちの行く末は。

脚本・演出を手がけ、本妻役として出演する島田代表は「過去にいろんな名優が出演した作品。役柄にぴったりな俳優を起用し、負けないように演じたい」と意気込みたっぷり。

本妻を演じるにあたり、和服姿での美しい所作を研究。「自分が一番正しいと思っている本妻の強さを出したい」と話す。

愛人役の藤本理恵さんは「本妻には一応下手に出るけど、自分の方が愛されていた自負があり、立場は上だと思っている。自分が有利になるよう手を変え、品を変え、人の気を引こうとするしたたかさを見てほしい」とにっこり。

妹役の川端恵さんは「みんなが自分が一番だと思っているからこそ沸き起こる、しっちゃかめっちゃかさ、3人が歯に衣着せず言い合うバトルは一番の見もの。笑ってスッキリしてほしい」と話している。

開演時間は、2日は午後5時、3日は午後2時。入場料は2000円(当日は500円アップ)。前売りチケットは同ホールや県民文化会館、和歌の浦アート・キューブ、有吉佐和子記念館、または同劇団のオンラインチケットサービスカンフェティチケットセンター(フリーダイヤル0120・240・540、平日午前10時~午後6時)で販売。問い合わせは同劇団(℡090・1481・0941、090・4763・4709)。