期待と苦言受け止める 初当選の山本さん
衆院選和歌山1区は、28日午前1時に和歌山市の開票結果が決まるまで勝敗が分からない大接戦となり、自民党新人の山本大地さん(33)がわずか124票差で日本維新の会前職の林佑美さん(43)を振り切り、初当選を果たした。
裏金問題で厳しい批判を浴びた与党が大敗を喫する中、山本さんは、自民が6連敗してきた県都を含む選挙区で悲願の議席を獲得した。
山本さんは同日午前1時過ぎ、長時間にわたり結果を待った支援者から大きな拍手を受け、和歌山市栗栖の事務所に姿を見せた。支援者らと共に万歳した後、花束を受け取り「無名の状態から現職を追う厳しい選挙だったが皆さまのおかげで一歩ずつ、一歩ずつ、最後の最後諦めずにやったら届くんだと自分自身を奮い立たせて皆さまの支えもありながらなんとか勝つことができた。本当にありがとうございました」と感謝。
「和歌山1区、自民党の悲願でもあった議席をなんとか奪還できた」と振り返り、「この和歌山のために働く。そして市民、国民に寄り添った政治家になる。『応援してよかった』と言っていただける国会議員に必ずなりますから、どうか皆さんこれからもよろしくお願い申し上げます」と決意を述べた。
一夜明けた同日午前6時半にはJR和歌山駅西口前で立礼し、市民と握手をしたり、言葉を交わしたりして当選に感謝した。
報道陣の取材に応じた山本さんは「若い人に期待しているよという声の一方、自民党に対するお灸だとも言われた。その二つをしっかり受け止めてやっていきたい」と話し、自民への最大の逆風となった政治と金の問題については、「誰に見られても恥ずかしくない、説明が常にできる状態を保っておけば、そんなに難しいことではないと思う。まずは政治に対する不安を取り除いていきたい」と述べた。
国会議員として真っ先に取り組みたいことには、人口減少、少子高齢化の対策を挙げ、「この年齢で、地方都市和歌山から当選させていただいたということは、地方の現状をしっかり中央に届け、改善していくことがまず仕事になると思っている」と意気込んだ。
目指す政治家像については、「自分のプライドをいい意味で持たない。自分のメンツや派閥のメンツで判断を誤ったのではないかという場面を今まで見てきた。この政策は誰のためになるのか、その一点だけを優先できる政治家になりたい」と話した。