桃山町で森林保全活動 ケンテックが企業の森

協定書を手に(右から)岸本知事、浅井社長、岸本市長、キノピー
協定書を手に(右から)岸本知事、浅井社長、岸本市長、キノピー

和歌山県が企業などに県内の森林保全への協力を呼び掛けている「企業の森」事業に、建設業の㈱ケンテック(東京都江戸川区、浅井健太社長)が参加し、紀の川市桃山町で活動する。県庁で11日、同社と県、市の3者による森林保全・管理協定の調印式が行われた。

同社は既存杭抜き工事、地中障害物撤去などを手掛ける。企業の森への参加により、同市桃山町峯の民有林1・89㌶を「ケンテックの森」とし、本年度から間伐などの活動を始める。活動期間は同日から10年間で、現場の管理は㈱榎本林業(同市下鞆渕、榎本大志郎代表取締役)に委託する。

調印式は県庁知事室で行われ、浅井社長と岸本周平知事、岸本健市長が協定書に署名し、榎本代表取締役はじめ榎本林業の幹部らも同席。「紀の国森づくり大使」のキノピーも会場に登場した。

浅井社長は、自社事業は重機の使用による二酸化炭素の排出を伴うとして、脱炭素への取り組みを模索する中で、豊かな自然と関西国際空港から近いアクセスの良さを併せ持つ紀の川市の存在、企業の森事業を知り、参加を決めた経緯などを話した。

岸本知事は、森林が約8割を占める県土にあって、脱炭素に向けたカーボンクレジットの販売実績も出ていることなどを紹介し、「日本一の脱炭素県を目指したい」と述べ、ケンテックに対して、森林保全活動を通じた社員と市民の交流促進も呼びかけた。

岸本市長はケンテックに対し、「地元の榎本林業とタッグを組んで森を守っていただけるのはありがたい。森林保全だけでなく、いろんなことに協力して取り組んでいきたい」と期待を寄せた。

今回を含め、企業の森の参加企業・団体は99、活動場所は113カ所(322・95㌶)となる。