個性豊かに響き合い 県文で絵画の三人展
絵画を趣味にする3人の展覧会が25日まで、和歌山市小松原通の県民文化会館特設展示室で開かれている。
出品者は和歌山県海南市の岩本直子さん、前田量子さん、綿野淳子さん。3人は同市の絵画教室「アトリエ7つの音」で学ぶ仲間。通って25~30年ほど。それぞれ県展や海南市展、和歌山市展などの公募展で入賞を重ね、今展では100号を中心に約20点を展示。「刺激し合いながら、楽しく描き続けてきました。個性が表れた3人の作品をお楽しみください」と呼びかけている。
前田さんはシマウマやサイ、ゾウやチーターなどの動物を主役に、全体を青や赤のトーンで描写。塗り重ねたクレパスや油絵の具を削るなどし、独自の表現法で仕上げている。「我流で描いてきましたが、アドバイスを受け、公募展でも評価を頂きながら少しずつ『これでいいんだ』と自信にもつながってきました」と話す。
岩本さんの作品は油絵の具やアクリルを使った抽象画。ビニールひもや麻布などを重ねており「思いつくまま、実験みたいなもの」とにっこり。「『何か分からないけど、この絵が好き』と言ってもらえるとうれしいですね」と話す。円や三角形などの浮遊するようなモチーフ、緩やかな線が生み出す独特なリズムが魅力。
綿野さんはことしの県展で、最優秀賞に選ばれている。今展ではダリアやバラ、加太の自然などを題材にした油彩画、色鉛筆画を出品。海を背景に、巨大なバラの花を描いた油彩画の大作は、厳かな神秘性が宿るよう。綿野さんは「一人では展示をする勇気はなかった。似通っていないそれぞれの作風を楽しんでもらえれば」と笑顔で話している。
午前9時から午後5時(最終日は4時)まで。