187人が駆け上がる 紀三井寺で福開き速駈詣り
和歌山市の西国三十三所第2番札所・紀三井寺で13日、本堂までの急な石段を駆け上がって参拝し、一年の無事を祈願する「福開き速駈詣り(はやがけまいり)」があり、県内外から集まった4歳から86歳までの健脚自慢187人がタイムを競った。
社会人を中心とした地元ランニングクラブの「汗濁(あせだく)大学アスリートクラブ」と同寺が共催。急な傾斜で知られる石段を楽しく参拝してもらおうと2018年に始め、コロナ禍の影響で中止となった21年を除き、成人の日に実施してきた。ことしは過去最高となる217人がエントリーした。
開会式で前田泰道貫主は「自分を支える人たちに感謝の思いを込めて駆け上がり、挑戦の皮切りの瞬間にしていただきたい」と参加者を激励。本堂へ続く231段のうち、楼門から最上段までの210段を使い、参加者は2人一組でスタートした。
トップバッターはふんどし姿の岩倉崇晃さん(54)と、医療法人匡慈会伏虎リハビリテーション病院の理事長兼院長の中谷匡登さん(49)が力強く全力疾走。
中谷さんは「患者の健康とみんなの明るく元気な未来を願って走った」と笑顔。岩倉さんは「毎年参加しているが改めて長い階段だなと実感した」と息を切らしていた。
恐竜やミャクミャクに扮(ふん)して参加する人や、「メリークリスマス!」と見物客とハイタッチを交わしながら走るサンタクロース姿の人などさまざま。
足がもつれそうになったり、四つん這いになったりしながらも、周囲からの熱い声援に背中を押され、ゴール。
達成者には、御朱印入りの速駈証が授与された。
最速の「速駈王」は、京都府の消防士石田諒太さん(35)が24秒30で4連覇を達成。大阪府の柴田友香さん(32)が33秒03で自己ベストを更新し、「速駈姫」2連覇となった。
最高齢の「健脚王」は和歌山市の野坂光博さん(86)が1分51秒でゴールした。