則村さん出演 「わたしのかあさん」上映会

上映会をPRする則村玖俐生さん
上映会をPRする則村玖俐生さん

知的障害のある両親と向き合いながら成長していく少女の葛藤や希望を描く映画『わたしのかあさん―天使の詩―』の上映会が2月1、2日に和歌山市小松原通の県民文化会館小ホールで開かれる。同映画には市立伏虎義務教育学校4年生でダウン症の則村玖俐生(くりゅう)さん(10)が出演し、堂々とした演技を見せている。

日本最高齢の現役女性映画監督・山田火砂子さん(92)が、児童福祉文化賞を受賞した菊地澄子さんの『わたしの母さん』を映画化したもの。

山田監督は知的障害のある長女を育ててきた自らの経験から「世の中の人に知的障害について知ってほしい。日本の社会が変わってほしい」と、70歳で映画監督デビュー。障害児教育や福祉の映画を製作し、今作が10作目となる。

物語は、知的障害のある両親のもとに生まれた高子が小学3年生になって両親に障害があることを知り、受け入れることができずに荒れるところから始まる。しかし、誰しもハンデを抱えることがあり得ると理解するようになり「障害を持っていたのが自分だったかもしれない」と気付く。周りの人々の心を変えていく母の姿に感化され、福祉の道に生きる決心をするというストーリー。

知的障害のある母を寺島しのぶ、娘の高子を常盤貴子が演じる他、安達祐実、高島礼子、落井実結子(子役)、船越英一郎、渡辺いっけい、春風亭昇太ら、豪華キャストが名を連ねる。

今回が映画初出演となる玖俐生さんは、特別支援施設に通う生徒役を務めた。母親の麗奈さん(45)は「せりふを何度も練習し、元気に生き生き演じていた」と話し、玖俐生さんは「撮影は楽しかった」とにっこり。

人を笑顔にすることが大好きな玖俐生さんは、小学1年生から知的障害や身体障害のある人専門の芸能事務所アヴニールプロダクション(東京)に所属。ミュージカルの舞台に立つ他、モデルとしてファッションショーにも出演している。

麗奈さんは「ダウン症のことを知ってもらうために、玖俐生が人前に出て、みんなに勇気を与えられる存在になってほしい」と話していた。

上映会は1日午前10時半から、2日10時半と午後2時から。チケットは前売り1300円、当日1800円。障害者手帳を持つ人は1000円。

チケットの購入、問い合わせは県民文化会館(℡073・436・1331)、現代ぷろだくしょん(℡03・5332・3991)。チケットぴあ(Pコード:554677)でも販売中。

1日午後2時からは、山田監督が日本初の女医を描いた映画『一粒の麦 荻野吟子の生涯』の上演もある。

娘と母の物語を描いた『わたしのかあさん』(©現代ぷろだくしょん)
娘と母の物語を描いた『わたしのかあさん』(©現代ぷろだくしょん)