地域の安全を守る 海南署と海保が災害対応訓練

被災者役を救助する警察職員
被災者役を救助する警察職員

阪神淡路大震災から30年を迎えた17日、海南署と海上保安庁は、海南市下津町の戸坂漁港で大規模災害を想定した合同訓練を行った。

警察航空隊、機動隊など26人と、海上保安庁14人、行方不明者の捜索などで活躍する県警の警察犬ヨハン号も参加し、実践に近い救出救助訓練で連携を深めた。

訓練は阪神淡路大震災と能登半島地震の教訓を踏まえ実施。前日に大規模地震が発生し、落石などの影響で戸坂地域が孤立した想定で行われた。

警察職員が巡視艇わかづきと、きいかぜに乗船し、和歌山海上保安部海南海上保安署付近の埠頭を出発して戸坂漁港に向かった。

倒壊した建物に取り残された人を救出する訓練では、ヨハン号が鋭い嗅覚で行方不明者を捜索。警察職員がバールなど使って救出のための開口部を確保し、救助した。

訓練には航空隊のヘリコプターも参加し、映像伝送訓練も行った。

橋本諭署長は「訓練でできないことは現場でもできない。それぞれ課題を持ち帰り、さらに訓練してスキルアップしたい」、海上保安庁海南海上保安署の勝部光人署長は「組織は違っても災害が発生したときの共通の目的は、地域住民の安全の確保という使命は変わらない。今後も訓練を通し連携を深めたい」と話した。

救助に向かうヨハン号と職員
救助に向かうヨハン号と職員