お城の桜保全を拡大 県造園協支部が和市と協定
和歌山県内屈指の花見の名所、和歌山城公園(和歌山市)の桜を維持し、さらに育成することを目的に、市と県造園建設業協会和歌山・海草支部(森建二支部長)は28日、「和歌山城公園の桜保全に関する協定」を締結した。
同公園の桜の木々は昭和50年代に植えられたものが多く、樹齢が老木の域に達してきている他、公園のため地面が踏み固められてしまっていること、それぞれの木が大きく成長したことで共存が難しい状況が生まれていることなどの理由から、樹勢に衰えが見られている。
同協会は創立50周年記念事業として、桜の治療、回復の取り組みを市に提案。市と「桜再生に関する協定」を結び、2022年から2年間、桜が最も多い大手門から岡口門にかけてのエリアなどで、倒木や落下の危険がある木の伐採、治療のための剪定、肥料の投与などの作業を進めてきた。
記念事業に続き昨年は、和歌山・海草支部が木々の美観を整えるための剪定などを実施。今回は同支部と市が新たな協定を締結し、公園内全域に対象を広げ、約450本の桜の保全活動を継続することになった。協定の期間は27年3月31日まで。これまで活動範囲ではなかった護国神社周辺や天守閣周辺などでも取り組みが行われる見込みとなっている。
締結式は市役所市長室で行われ、森支部長と尾花正啓市長が協定書に署名した。
森支部長は「お城の桜は大名物。春だな、桜だなと皆さんに喜んでいただけるように、頑張ってきれいな桜を育成していきたい」と話し、尾花市長は「和歌山城の桜は市民の心のシンボルであり、憩いの場所。守っていかなければいけないと思っている。今後もご協力をいただきたい」と述べた。