みんなの自信作 芦原小6年が新たい焼き販売
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和歌山市雄松町の芦原小学校の6年生12人は26日、地元のたい焼き店で自分たちが考案した商品を販売し、売ることや魅力を伝える難しさを学んだ。児童らは県の魅力を発信しようと、昨年5月から同市元町奉行丁の「めでたいやき本舗」の協力を得て、地産食材を使った新商品を開発してきた。
第1弾「湯浅しょうゆホイップ小倉」は昨年10月から3カ月販売した。11月の竜王戦では「勝負おやつ」に採用され、藤井聡太竜王・名人が選んで口にした。県産のショウガを入れた第2弾「豚の生姜焼き」に続き、ミカン果汁入りの生地でホイップを挟んだ新商品を1月に提案。試食会で貴志範彦店長(63)からの「インパクトが小さい」という感想を受け、アドバイスをもらいながら改良を重ね「ミカンホイップ」を完成させた。ミカンとカスタードクリーム、生クリーム入りの冷やしたい焼きで、食べた瞬間に果汁が口に広がる。
貴志店長は「全種類の中で一番手が込んでいて夏向きの商品。夏が良かったが、子どもたちが『どうしても今、売りたい』と、熱い熱意に打たれました」と笑顔。
この日、児童らはミカンの皮むきや完成商品の袋詰め、隣のスーパー入り口でのPRなどをした。「急ぐので」「きょうは買わない」などと客に断られながらも、聞いてもらえそうな客に懸命に商品説明したり、ミカンの皮をむき、一房ずつ丁寧にワタを取り除いたりした。28日まで3日間手伝う。
松田武琉さん(12)は、「40人くらいに声をかけたけど5人しか聞いてくれず心が折れた。しんどいけど、買ってもらって商品の魅力が伝わったらいい」、川﨑心菜さん(12)は「いろいろ考えて試作を作るのが大変だった。完成した商品を見た時はうれしかった」と話した。
「ミカンホイップたい焼き」は、事前予約分150個が28日までに完売。3月1日と2日は予約不要、期間・個数限定で販売する。1個320円。「豚生姜焼き」は300円で販売中。
商品を買い求めた同市南片原の藤本明子さんは「子どもたちが頑張っている。いいことやと思います」と話した。