多様な視点で連携を 防災士会県支部に女性部会

和歌山県内の女性防災士が集まり、災害に備え自分たちができることに取り組もうと、日本防災士会県支部(早稲田眞廣支部長)は「女性部会」を発足。9日、海南市下津町の海南サクアスで初の会合キックオフミーティングが開かれ、21人が参加した。
同会は防災士の資格を持つ有志で構成されたNPO法人。地域防災力の向上を目指し、安全で安心な社会実現のために活動している。同支部には106人の会員が所属し、そのうち女性は22人。海南市の上西令子さん(71)と、紀の川市の吉田圭美さん(64)は「女性の声をもっと防災に生かしたい」と役員に立候補し、活動している。
2人は「避難所などの災害対応で男性には気付かないところがあり、女性の視点は重要」とし、各地域で活動する女性防災士が連携し、情報共有をする場をつくろうと、昨年10月から準備を進めてきた。
上西さんと吉田さんが防災士の仲間に声をかけ、賛同した田辺市の新谷睦子さん(63)、海南市の東方貴子さん(62)の4人が発起人となった。
この日集まったのは、県内各地で活動する保育士、看護師、助産師、介護ヘルパー、行政職員など幅広い職業の防災士。
会の冒頭では、1人ずつ自己紹介し、今後の活動についての提案や意見交換が行われた。
約30年前に婦人消防隊に入り、防災士の資格を取得した海南市の柏原眞弓さん(69)は、「自分が学んだことを伝え、知らないことを学び吸収し、連携を深めたい」と意気込んだ。
ことし2月に防災士になり、海南市で看護師として働く野長瀬真由美さん(43)は「自分一人では学んだ知識をどう使えばいいか分からないが、ここで先輩たちの活動を聞いて手本にしたい。横のつながりができることは大きい」と話した。
この日は災害時における課題として、障害がある人、妊婦や幼児、高齢者、外国人の支援、ダイバーシティ(多様性)の問題などが提議された。
今後はその意見を参考に勉強会を行う他、それぞれの地域の防災活動で協力し、活動活性化に向けた提案もしていくという。
吉田さんは「いろいろな職業や地域の女性防災士が一体となり、活動できることは心強い。できることはいっぱいあるので、皆で力を合わせていきたい」と話した。