和大院生の松下さんに奨学金 SI和歌山

大学院女子学生研究奨学金を受けた松下さん㊥と須佐会長㊧、佐久間教授
大学院女子学生研究奨学金を受けた松下さん㊥と須佐会長㊧、佐久間教授

女性の地位向上や青少年支援などに取り組む奉仕団体「国際ソロプチミスト(SI)和歌山」(須佐眞理子会長)は18日、将来が期待される女性の大学院生を対象とする「大学院女子学生研究奨学金」を、和歌山大学大学院システム工学研究科博士課程2年の松下藍子さん(37)に贈呈した。

同奨学金は、SI和歌山の認証50周年記念事業として2022年に創設。10年間継続し、今回が4回目となる。

松下さんは大阪府阪南市出身。九州大学大学院を修了後、都市計画などを手掛けるコンサルタント会社に10年間勤務する中で和歌山市雑賀崎地区のまちづくり支援に関わり、この地域を研究したいと思い、和歌山大学大学院博士課程に進んだ。

研究テーマは「人口減少下における高密度居住の集落の居住の継承」で、海岸沿いの傾斜地に住宅が密集し、自動車での進入が困難な雑賀崎地区で人口、世帯数とも減少に転じた1980年代以降の居住者の住み替わりについて調査。地区内での住宅利用の変化や、地区外からの居住者の増加、増加する空き家活用の課題などに関する研究を続けている。

同奨学金の贈呈式は、和歌山市のダイワロイネットホテル和歌山で開かれたSI和歌山の例会で行われ、松下さんの担当教員である佐久間康富教授も同席する中、須佐会長が松下さんに目録と賞状を手渡した。

松下さんは「社会人時代に雑賀崎に関わるようになり、研究をまちづくりに生かしたいと思っている。女性の学生を応援していただける奨学金は非常にありがたい。住み続けられる地域のために、これからも雑賀崎との関係を続け、研究に励みたい」と話し、須佐会長は「自分の夢を実現し、進めている研究の成果に期待している。私たちも応援していきたい」と述べた。

松下さんは研究成果のプレゼンテーションも行い、会員たちは大きな拍手で期待を寄せていた。

夢を生きる賞贈呈 宝塚医療大生2人

例会では、教育や技術の向上に励む女性を支援するSIアメリカ連盟の取り組み「夢を生きる:女性のための教育・訓練賞」、日本中央リジョンの「大学女子学生・専門学校女子学生支援金」(リジョン夢を生きる賞)にSI和歌山がそれぞれ推薦していた、宝塚医療大学和歌山保健医療学部3年の早稲田愛子さん、田中羽菜さんに対するSI和歌山のクラブ賞の贈呈も行われた。