和大の学生クラブを認証支援 SI和歌山紀ノ川

女性の地位向上や青少年育成などに取り組む奉仕団体「国際ソロプチミスト(SI)和歌山紀ノ川」(谷口令子会長)は、障害のある子どもたちの余暇活動を支援している和歌山大学の学生クラブ「STEPおくやま子ども会」を「シグマソサエティ」として認証し、支援することを決めた。20日、和歌山市のホテルアバローム紀の国で認証式が行われた。
SIは、奉仕について考え、実行する青少年を地域社会の中で育成することを目指し、社会貢献に取り組む青少年グループを「シグマソサエティ」として認証し、活動資金などを支援する取り組みをしている。シグマはギリシャ文字でSに当たり、奉仕(service)を表す。
STEPおくやま子ども会は約50年にわたり活動し、知的障害や発達障害などがある小中学生・高校生らが放課後などに集い、楽しみながら過ごせる居場所づくりに取り組む。地域のコミュニティセンターなどを会場に、学生たちが工作や季節に合わせたレクリエーション、公園などに出かける遠足といった企画を毎月工夫して開催。現在は部員11人が活動している。
SI和歌山紀ノ川が14年にわたり継続している事業に、ベトナム国立ホーチミン市師範大学に対する女性奨学金と日本語書籍の寄贈があり、この活動に協力している和歌山大学教育学部の竹澤大史教授から、顧問を務めるSTEPおくやま子ども会の取り組みを聞き、シグマソサエティとしての支援が決まった。
認証式には、STEPおくやま子ども会から奥くるみ部長(観光学部2年)ら部員の代表4人、竹澤教授、SIアメリカ日本中央リジョン奉仕プログラム委員会の大藪真弓委員長、森本和子委員、SI和歌山紀ノ川の谷口会長はじめ会員15人が出席した。
大藪委員長が奥部長らに認証状やシグマソサエティのピンバッジを、谷口会長が支援金を手渡し、奥部長らは奉仕活動の宣誓を行った。

奥部長(19)は「支援をいただき、これまでの先輩方や私たちの活動が認められた思いがし、部員一同幸せな気持ちです」と感謝。活動の中では、言葉でのコミュニケーションが難しい子どもたちに企画を強制することになっていないか、といった葛藤もあるが、保護者らの感謝の言葉や、子どもたちが仲良く接してくれる様子などから、喜びが湧いてくるという。支援金については、「費用面で企画の幅が広がる。子どもたちのためにできる限りのアイデアを実行したいと思います」と話した。
谷口会長は「同じ奉仕活動をする団体として、皆さんに学ぶことが多くあると感じている。これからも信じるところをゆるりと、でも力強く、ワクワク楽しみながら活動してください」と呼びかけ、大藪委員長は「次代を担う皆さんが多様な子どもたちやその家族に寄り添い、共に歩む姿は、地域全体に思いやりの心を育み、心豊かで平和な社会づくりに大きな貢献をしている尊い活動だと頭が下がる思いです」とたたえ、期待を寄せた。