交通事故の怖さ再現 スタントマンが教室

車と自転車が衝突する事故
車と自転車が衝突する事故

JA共済(JAわかやま・JA共済連和歌山)は24日、海南市鳥居の市立第三中学校で、スタントマンが実演する自転車交通安全教室を開いた。県警と海南署が連携。自転車の利用頻度が高い中高生を対象に、スタントマンによる事故実演を通じて事故の衝撃や怖さを実感してもらおうと「スケアード・ストレイト教育技法」を取り入れた。

同校では、全校生徒194人のうち81人が自転車通学をしている。㈲シャドウスタントプロダクション交通安全事業部のスタントマンらが、時速40㌔で走行する自動車との衝突事故や、出合い頭、左折巻き込みなどの接触事故を実演し、生徒らは危険性やルール、正しい乗り方などを学んだ。

スケアード・ストレイト教育技法は「怖さ」を与えることで、社会通念上望ましくない行為を自主的に行わせないようにするもの。実演は、実際に起きた事故を再現した。

ベビーカーを押しながら横断歩道を渡る親子を見つけた車が一時停止していたところ、車の後方から勢いよく走ってきた自転車がベビーカーに気が付かず衝突。乗っていた赤ちゃんは空中に飛ばされ地面に落ちて死亡してしまったと聞いた生徒らは言葉を失っていた。

他にも、夜間無灯火の自転車同士の正面衝突事故、2人乗りやスマホを操作しながら、傘を差しながらなど、小さなルール違反が重なり重大事故になった場面などもあった。

同社の担当者は「事故の怖さを知ってほしい。大切な命を守るため、ルールを守れているか考えてください」と伝えた。

3年生の交通安全委員長、森口大地さん(14)は「どれも怖かった。無灯火の自転車同士の衝突が頭に残っている。左側を走ることや並走などルールを守らず乗ると事故につながり命に関わる。全校生徒に安全を促して声かけしていきたい」と話した。