南極の氷「冷た~い」 打田公民館で講座

氷を触る子どもら
氷を触る子どもら

海上自衛隊の砕氷艦「しらせ」が南極から持ち帰った氷に触れて学ぶ講座が24日、和歌山県紀の川市西大井の打田地区公民館で開かれ、小学生から90代までの約70人が氷に触れ、氷から聞こえる不思議な音に耳を澄ました。

同公民館が年間通して開いている「目からウロコの雑学講座」と、「防衛と減災に関するおはなし講座」の2講座の合同企画となった。

自衛隊和歌山地方協力本部橋本地域事務所の飯宮圭祐所長が講師を務め、南極の気象や地球温暖化の影響、ことし4月に持ち帰った氷について説明した。氷は降り積もった雪が上からの圧力で空気とともに押し固められ、長い年月をかけてできる。

用意された氷は約25立方㌢ほどの大きさで、1万年以上前の氷と推定されている。参加者は順番に氷の塊に触り、冷たさや触感を確認した。小さく割られた氷に耳を近づけ、氷に閉じ込められた1万年以上前の気泡がパチパチとはじける、小さな音に聞き入った。

荒川小学校4年生の柏木心那さんは「普通の氷より冷たい。透明感があってツルツルした。パチパチという音だった」、同市豊田の駒井有孝さん(66)は「1万年前の空気と聞き、ロマンがある。子どもたちの感動する表情が新鮮で印象的だった」と話した。

同館社会教育指導員の原寿宏さん(62)は「さまざまな催しを通じて、子どもから高齢者まで幅広い人々に利用してもらえる施設にしていきたい」と話した。