支え合う風鈴屋台 宇賀部神社で涼誘う

和歌山県海南市小野田の宇賀部神社(小野田典生宮司)に風鈴が並び、15日まで「しあわせの宮夢風鈴まつり」が行われている。風に揺られ、境内に涼やかな心地よい音色が響き渡る。
昨年新設した風鈴屋台に、色とりどりの約600個の風鈴を取り付けた。さらにことしは、新たにハート形のモニュメントと短冊飾りを設置した。
風鈴屋台は、同神社奉賛会(森田三千男会長)が毎回効率よく組み立てられるようにと、和歌山工業高校の建築技術クラブの生徒に依頼し制作されたもの。
ヒノキ材で大工技術を生かし、くぎを使わずに組んだ。高さ、最大幅とも2・6㍍の屋台で4基を制作。1基を四つに分割でき、違う基でも組み合わさるようになっている。
アサガオや花火、金魚の絵付けをした風鈴が飾られ、小野田宮司は「人は一人では生きられない。風鈴屋台の木組みのように互いに支え合い寄り添って、力強く生きてほしい」との思いを込めたといい「風鈴の音色とともに思いを感じ取ってもらえたら」と話している。
また、以前使用していた風鈴屋台の木材を活用してほしいと同校に依頼したところ、格子状に組んだ木枠をハート形にくり抜いたモニュメントに復活。参拝者の未来への希望や運気向上を願って制作された。
くり抜いたハート形の向こうには、縁結びや開運を祈る神木として知られるナギの木があり、新スポットとして写真撮影などが楽しめる。
ナギの木は、前宮司が熊野速玉大社から苗を譲り受けたという。くり抜いたもう一方のハート形には、木札に夢を書いた短冊をつるすことができる。