てるてる坊主に願い込め 春日神社の風鈴祭

和歌山県海南市の「風鈴まつり」の舞台の一つ、春日神社(大野中、三上秀信宮司)では15日まで、「春日風鈴祭」が開かれ、さまざまな形や色の風鈴450個が、風に揺られて境内に音色を響かせている。
同神社と宇賀部神社(小野田)、伊勢部柿本神社(日方)の市内三社で同時期に風鈴まつりが開催されていることから、「三社めぐり」で風鈴を楽しむことがSNSなどで話題となり、多くの参拝者が訪れる。
風鈴の音色には邪気を払う意味があるとされ、三社で飾られている漆器の風鈴は、2010年にまちおこしの一環で行われた「かいなん夢風鈴まつり」のために、漆器職人がガラス製の風鈴に漆塗りを施したものが並んでいる。
風鈴まつりは春日神社が発祥で、1999年に県内で南紀熊野体験博が行われたことがきっかけ。和歌山を訪れた人に「楽しんでもらいたい」との思いから始まり、地場産品のピンチハンガーや和傘に、漆器やガラスなどさまざまな風鈴をつるしている。
2024年に海南市内でも大きな被害が出た大雨による水害を受け、「水は必要だが、災害になるような大きな水はいらない」との願いを込め、2年前から、てるてる坊主形の風鈴もつるした。参拝していた視覚障害者のグループは「なぜてるてる坊主なのかと思っていた。水害があったこと知らなかった。涼しげな音色がとても心地いい」と話した。
橋本市から友人と訪れた石井恵理子さんは「SNSで動画を見て来た。それぞれ違った味があり、きれい」。三上宮司は「暑いですが、家から出て、写真を撮ったり音色で涼を楽しんだりしてもらえたら。それぞれ魅力ある三社を回ってほしい」と呼びかける。