共生の和歌山を表現 万博で中島さんとコラボ

多様な人々が共生するインクルーシブな社会の実現を目指す和歌山を表現する県のイベント「Wakayama~共に奏でるあしたへ~」が9日、大阪・関西万博会場(大阪市・夢洲)で開かれ、和歌山児童合唱団(和歌山市)をはじめ県内からの参加者らが合唱やダンス、ファッションのステージを披露した。
万博テーマ事業プロデューサーの一人で数学研究者、ジャズピアニストの中島さち子さんのプロデュースで6~10日に行われた「世界遊び・学びサミット」に参画して開催。障害の有無や性別、国籍などの枠にとらわれず、全ての人が互いの考え方や個性を受け入れ、共に成長する社会に向け、EXPOメッセ「WASSE」の特設ステージで多彩な表現が繰り広げられた。
オープニングを飾ったのは、和歌山児童合唱団や和歌山市の姉妹都市カナダ・リッチモンド市の「リッチモンド・ユース・オーナー合唱団」、台湾、大阪・兵庫・千葉各府県の児童合唱団計6団体と、韓国やセネガルなどの打楽器とピアノ、サックスなどが融合する中島さん率いる多文化バンド「KURAGE Band(クラゲバンド)」のコラボステージ。
まず、和歌山児童合唱団を長年指導し、海外のコンクールでも数々の受賞に導いてきた沼丸晴彦さんの指揮で、東日本大震災をきっかけに歌で人々をつなげようと作られた合唱作品『ほらね、』を6団体が歌い上げた。
続いてクラゲバンドが登場し、6合唱団と共に「Wishes for Peace(平和への願い)」「あの山越えて」などを演奏した。
中島さんは、この日が長崎の原爆忌、世界の先住民の国際デーにあたることにふれ、「こうしてみんなで集って歌って、平和を祈りながら、本当に幸せに思う」と話した。
ダンスステージでは、県出身のダンサー・岡本叶望さんら障害や性別、年齢などさまざまな個性が結集したダンスチーム「いんくるーじょん」が、誰もが自分らしく生きて活躍できる社会を全身で表現した。
続いて、田辺市のデザイナー・湯川晴美さんの企画で、着なくなった着物を生まれ変わらせた洗練されたデザインによるファッションショーが行われ、年齢や性別など多様な県内のモデル21人がステージで、伝統と未来が融合した華やかな姿を見せた。
児童合唱団とクラゲバンドのステージを鑑賞した宮﨑泉知事は「素晴らしかった。感動しました」と笑顔を見せ、中島さんが推進している理数教育と創造的教育の統合的な学び「STEAM教育」の取り組みにもふれ、「中島さんは和歌山をすごく評価していただいていて、非常にうれしい限り。これからもSTEAM教育などで一緒に仕事ができればと思う」と期待を話した。