吾妻さん済南市に留学 和歌山市の派遣事業で

尾花市長(手前)と歓談する吾妻さん
尾花市長(手前)と歓談する吾妻さん

和歌山市は、友好都市である中国・済南市の留学生派遣プログラムにより、吾妻里詠子さん(42)を9月から1年間、同市に派遣する。18日、吾妻さんは市役所の尾花正啓市長を表敬訪問し、意気込みなどを話した。

済南市は県と友好提携している山東省の省都で、人口約1000万人。県省間の提携より1年早い1983年1月14日に和歌山市と友好都市となり、ことしで42年を迎えた。

留学生派遣プログラムは、両市民の相互理解の推進を目指し、済南市の提案により2019年に開始。中国語や中国文化の学習コースに授業料免除で留学生を受け入れている。コロナ禍で中止やオンラインの中国語講座開催にとどまった年もあったが、これまでに和歌山市から4人を派遣し、吾妻さんが5人目となる。

吾妻さんは、金融などの仕事の関係で上海での4年間を含め7年間の海外勤務経験を持つ。再び海外で活躍したいとの思いから、「市報わかやま」で目にした派遣留学生の募集に応募した。

市長室で吾妻さんを迎えた尾花市長は「国同士には距離感がある部分もあるが、民間交流で埋めていきたい。済南市で新たな交流を深めていただきたい」と期待を寄せた。

吾妻さんは、中国勤務時代の経験から「政府間にはいろいろなことがあるが、中国の人と人、友達同士はとても優しく、滞在中にすごく助けられ、感謝している。恩返しができればと思う」と話し、日本よりも進んでいるキャッシュレス決済などについても学びたいと、意欲を見せている。