紀美野町長選に現新2氏 15年ぶり選挙戦
任期満了に伴う紀美野町長選が26日、告示された。いずれも無所属で2期目を目指す現職の小川裕康氏(69)、新人で町議の北道勝彦氏(80)が立候補を届け出た(午後3時現在)。2010年以来15年ぶりの選挙戦となり、現状の小川町政に改善を訴える北道候補が挑む一騎打ちの構図となっている。投票は31日で、即日開票される。
立候補の受け付けは町中央公民館大ホールで午前8時半に始まり、届け出を済ませた各陣営は、有権者への第一声を放った。
小川候補は寺本光嘉前町長の死去を受け、副町長から町長に。子育て支援県下一を掲げ「子育て支援推進本部」を立ち上げ、ファミリーサポートセンター開設、学校給食センター新設などに取り組んできた。
一方、旧野上町時代から6期を務める北道候補は、指定管理者制度による赤字運営は町の利益にならず、住民の財産が守られないと強く主張。無投票では民意が反映できないと出馬を決意した。
人口減少対策をはじめ、小川町政が進めるスポーツ公園リニューアル事業、計画中の道の駅事業の是非などが選挙の主な争点となりそうだ。
期日前投票所は2カ所あり、役場本庁舎1階選挙管理委員会室は27日から30日まで(午前8時半~午後8時)、美里支所は30日のみ開設(午前8時半~午後7時)。
8月25日現在の選挙人名簿登録者数は6867人(男3163人、女3704人)。
上から下に届け出順 【名鑑の見方】名前(敬称略)投票日現在の年齢、党派(現新別)、推薦。①主な経歴②最終学歴③住所 |

小川 裕康候補(69) |
無新①町議会議員②県立大成高校卒③吉野
「一番」と思えるまちへ
小川候補は動木の事務所前で出陣式を行い、県内の首長や議員、支援者ら約280人(主催者発表)が参集。「4年間、無我夢中で町政に取り組んできた」と切り出し、2023年の大雨災害の復旧事業は8割ほど進み、「できるだけ早く完成を目指す」と強調した。
消防庁舎新築移転や下佐々浄水場の更新工事、町学校給食センター建設などに取り組み、子ども子育て支援の成果も出ているとアピール。その上で四つの目標を提示。高齢者・子ども政策として、健康で幸せに暮らせる町にし、「紀美野が一番」と思える環境を目指すこと、公共交通政策としてデマンドタクシー導入など新たな施策の研究、農林業施策として基幹産業の農業の課題に対応すること、27年完成を目指すスポーツ公園リニューアル事業については、宿泊や飲食他、合宿も可能にし「皆さんに愛される公園にする」と訴えた。

北道 勝彦候補(80) |
無新①町議会議員②県立大成高校卒③吉野
住民のための行政を
北道候補は吉野の選挙事務所で第一声。政治家の応援弁士はなく、支持者や近隣住民ら約20人が駆け付け、和やかなムードで行われた。
「本日は、出陣式にお集まりいただきありがとうございます。私は皆さま一人ひとりの心を、わが心といたしまして頑張る決心でございます。皆さま方のご意見ご指示をいただきまして頑張ります」とあいさつ。
これまで、赤字行政で住民の財産が使われる事業は必要ないと伝え続け、15億5000万円のスポーツ公園リニューアル事業や8億6000万かける道の駅計画をやめることを掲げ、赤字行政をやめ、ゆがんだ町政を正し、住民のための行政を行うと訴えた。
「15年たてば日本の市町村の40%が無くなるということでございます。紀美野町の人口は10分の1になった。これが田舎の現状。企業誘致をして働くところを増やし、人口を増やしたい」と決意を述べた。