奥行きある日本画並ぶ 伯玄会が作品展

日本画伯玄会(山添正良理事長)は14日まで、和歌山市七番丁の和歌山城ホールで第44回作品展を開いている。
日本画家の故・稲垣伯堂さんの門下生らで構成。60代から90代までの35人が描いた日本画・水墨画の額装作品、軸装作品を約60点展示。稲垣さんの作品「白雨凱帰」をはじめ、植物や風景など、さまざまなものを題材にした作品が並んでいる。
若い世代を含め、多くの人に日本画を知ってもらおうと、ことし初の試みで「皆さんの前で画をかきますコーナー」を設置。初日は同会会員の柳瀬継夫さん(83)が日本画の描き方や色使いを説明しながら和紙に描き、多くの人が熱心に鑑賞した。
柳瀬さんは「薄墨で絵を描いた和紙の裏から黄土を塗ることで絵に奥行きが生まれる。伝統的な描き方など先生の教えを踏まえて、自分らしさを取り入れながら楽しんで絵を描いています」と話した。
近所に住む柳瀬さんに誘われて展示会に来たという伊澤悦子さん(74)は「どの絵も奥行きがあって素晴らしい。皆さんの作品を見て心が洗われたような清らかな気持ちです」と笑顔。
同会の山添理事長は「先生亡き後も会員の皆さんが会の発展に向けて頑張ってくれているので今日まで続けられている。気軽に見に来てください」と呼びかけている。
午前10時から午後5時(最終日は3時)まで。問い合わせは同ホール(℡073・432・1212)。