表現洗練、個性際立つ 木国写友会が写真展

大正元年に設立され、113年の歴史がある写真クラブ「木国(もっこく)写友会」(島村安昭会長)の第88回展が13日まで、和歌山市本町のフォルテワジマ4階イベントホールで開かれている。
今展から新たに2人が会員に加わり、7人が花や風景、造形美など、それぞれが追求する表現で2点ずつ出品。同クラブ創立者の島村逢紅(ほうこう)、島村安彦前会長、小野誠之さん、楽得永男さんら故人会員の作品も並ぶ。
作品は、黒を背景にした不思議な形の炎、手筒花火発祥の愛知県豊橋市で撮影した、雨のように降り注ぐ黄金色の火の粉や躍動感ある男衆、シャープなスロープの造形、平池の水面に映る新緑と雨の波紋を捉えた静寂感のある一枚など。枯れゆく中にも凛とした美しさのある草花のシルエットを印象的に写した作品も目を引いている。
会員の島村泰造さん(84)は、自宅で育てた花をマクロレンズで撮影。白いクジャクサボテンのおしべを主役にした作品には、テレビで見た人体の細胞のイメージを重ねたといい「きょうは面白い花が咲いているな、とシャッターを切った」と笑顔。「会員が減り、一時はどうなることかと心配した。この数年でレベルの高い方々に入会いただき、感謝です。前会長からの教え『個性を大事に、楽しんで撮る』を大切に、これからも身近なものを撮り続けたいですね」と話していた。
午前10時から午後5時(最終日は4時)まで。