自分の乳首知り検診を ピンクリボン催しで啓発

乳がんの早期発見・早期治療の大切さを伝える10月の「ピンクリボン月間」に合わせ、mocomoco(モコモコ)のアーティスト名で活動する和歌山市の岡本知子さん(49)らが13日、同市で啓発イベント「第1回ピンクリボンプレゼント」を開いた。
がんを患った経験のある山路製作所(同市)の山路裕子さん(46)と、睡眠特化サロンかりんの癒やしセラピスト・かりんのあおいさんこと、濵野葵さん(45)の3人が主催。
乳がんは女性がかかるがんの1位で、9人に1人が罹患(りかん)するといわれているが、検診率が低いのが現状。検診率の向上に少しでも力になればとイベント開催を決め、検診を受けにくい世代にも、乳がんについて考えるきっかけにしてもらおうと、人が多く集まる市駅前広場を選んだ。
イベントは、専門医や体験者によるトークショーの他、マンモグラフィー検診車も配車し、アートを通じて来場者に検診の大切さや早期発見を呼びかけた。
医師によるトークライブ(市民図書館主催)は、日赤和歌山医療センター乳腺外科の松谷泰男部長、県立医大乳腺外科の宮坂美和子さん、さくらい乳腺外科クリニック理事長・院長の櫻井照久さん、たまき乳腺外科クリニックの玉置剛司院長と乳がん経験者の岡本さん、濵野さんが登壇。
約50人が集まり、検診と診察のどちらに行くべきか、乳腺密度には個人差があり、マンモグラフィーとエコーを合わせることでがんを見落とすリスクが減ることなどを紹介した。
松谷医師は「自分の乳腺が濃いのか薄いのか知ってほしい」といい、岡本さんは「がんが見つかり未来が描けなかったが、サポートしてくれる先生や友人がいる。なったけれど大丈夫。検診を受けてほしい」と伝えた。
乳房の模型を使ってがんのしこりを触る時間もあり、来場者は感触を確かめていた。模型にはへこみもあり、松谷医師は「へこみはしこり。中から引っ張られている可能性がある」と説明。40代の女性は「へこみも注意しないといけないと初めて知った。怖いから検診に行かないと言う友人が多いので検診に行くよう声をかけ続けていきたい」と話した。
マンモグラフィー検診には定員の20人が参加した。検診を受けた女性(46)は「平日は仕事だし自費だと高い。県の検診は手続きが面倒だと思っていてこれまで行ったことがなかった。休日で1500円というので受けることができた。やって良かった」と話した。