高校生が企画・制作 アバロームにマルシェ常設

高校生マルシェを準備した県和商の皆さん
高校生マルシェを準備した県和商の皆さん

和歌山県内の高校や特別支援学校の生徒たちが企画・制作した商品の常設販売ブース「和歌山県高校生マルシェ」が、和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国1階フロント前に設けられ、21日に販売がスタートした。各校の生徒が実践や体験を通じて学び、販売データを収集するなどして今後の商品開発に生かす。

マルシェ開設のきっかけは、同ホテル恒例となったイベント「ロハスフェア」(9月5日)への出展に向け生徒たちが商品を準備していたが、台風の接近で中止になったこと。商品を披露する機会がなくなったため、県教委の県立学校教育課・特別支援教育課から同ホテルに、生徒たちが作った商品を何とか販売できないかと提案があり、常設販売が実現した。

マルシェでは規格外の胡蝶蘭をハーバリウムのように使ったボールペンや鹿革のレザー製品、手を上げなくても肩がかける「息子の手」など、生徒たちがアイデアを出して作った商品が並ぶ。

初日の商品の陳列などの準備は県立和歌山商業高校の3年生10人が担当。来場者の動線などについて話し合いながら取り組んだ。購入者向けのアンケートも用意し、今後の制作に生かすという。準備が終了すると、さっそく来場者らが商品を買い求め、在庫が少なくなっているものもあった。

マルシェを準備した同校の刀禰千宥さんは「自分たちの学校だけでなく、他校でも似たような取り組みをしていることに驚いた。授業では商業関係の勉強をしているので、実際に売り場に立つ機会をつくってもらえるのはありがたい」とにっこり。中野葉月さんは「どうやったら商品の魅力が最大限にお客さんに伝わるか考えながら並べた。商業高校として、座学だけでなく実践的に学べたことはとても良い経験になりました」と話した。

県教委の県立学校教育課教育改革推進班の西浦久博指導主事は「こういう場があることで、他校の取り組みに気付くことができる。商品の並べ方など、普段の学びが生かされていて、職業教育の魅力が伝わる取り組みだと思います」と話した。

また、同ホテルのルームキーを県立紀央館高校(御坊市)の生徒が製作。同校の2年生、吉本苺果さんが約半年かけて作り上げたイルカのオブジェもエントランスに飾られ、宿泊客らを迎えている。