詩や名文を情感豊かに発表 和歌山市子ども暗唱大会

和歌山市内の小中学生を対象にした和歌山城南ロータリークラブ(浦口英尚会長)主催の「市子ども暗唱大会」(本紙など後援)が14日、同市の県民文化会館小ホールで開かれ、5校の約50人が詩や文学作品の一節を個人や群読で情感豊かに披露。同クラブ会長賞には中学生の部で伏虎義務教育学校8年生の群読「銀河鉄道の夜」、小学生の部で高松小5年生の榎葵衣さんの「自分を贈る」が選ばれた。

読む、話す、聞くなどの活動を通じて国語力を養い、コミュニケーション能力を育てることなどを目的に2006年から開き、16回目。コロナ禍の中断を経て、昨年5年ぶりに実施した。市教育委員会などが共催。
舞台に立った児童や生徒は、言葉が持つ意味やリズムを大切に、抑揚をつけるなどして堂々と披露。声が持つ力と表現力で、それぞれのメッセージや情景を伝えた。
詩では、谷川俊太郎さんの「やわらかいいのち」、中原中也の「サーカス」「月夜の浜辺」をはじめ、国語の教科書に掲載されている「ごんぎつね」、思いやりの大切さを伝える絵本「しあわせのバケツ」の一節などを朗読。アンネ・フランクの「アンネの日記」、茨木のり子さんの詩「わたしが一番きれいだったとき」など、平和への思いを込めた発表の他、自作の詩を朗読する児童もいた。
群読で城南RC会長賞に輝いた伏虎義務教育学校8年生の8人は、昨年に続いて同じメンバーで挑戦。リーダーの平井遼さんは「ジョバンニとカムパネルラが電車に乗って会話をしている情景が伝わるよう、練習を重ねた。宮沢賢治の世界観を大切に、聞く人を物語の世界に引き込めればと思った。自信があったので、うれしい」と笑顔だった。
この他、アトラクションもあり、和歌祭実行委員会が和歌祭の三つの演目を実演した。
その他の二つの特別賞の入賞者は次の皆さん。
【審査委員長賞】=北野杏夏(伏虎義務8年)、砂山小(6年=牧野晴音、4年=西川結、新井知花、布居育)
【審査委員賞】饒平名朱莉(桐蔭中3年)、山口清正(桐蔭中1年)、則岡美咲(砂山小5年)、矢本啓(高松小5年)、金田岳(伏虎義務1年)


