食品ロス削減を 有田みかんクラフトエール発売へ

和歌山県の特産品「有田みかん」の果汁と果皮を使ったアップサイクル商品「和歌山県産有田みかんクラフトエール」が2月20日から、イオンなど近畿圏のスーパーを中心に全国の小売店で順次発売される。規格外の有田みかんの果汁と果皮をクラフトビールに活用することで食品ロスを削減し、地域資源に新たな価値を生み出すことを目指している。
県産農産物の魅力発信や地域のさらなる活性化などを目的に、㈱三菱UFJ銀行、イオン㈱、㈱伊藤農園、日本航空㈱(JAL)、㈱Beer the First(BTF)が連携し、開発。製造本数は10万本を予定している。
県はミカン収穫量で日本一を誇る一方、ミカンをジュースなどに加工する際、果皮が残りかすとして多く発生。豊かな香りを持ち、さまざまな栄養成分が含まれる果皮を活用し、付加価値を高める取り組みが進められているものの、一部の活用にとどまっているのが現状という。
今回の取り組みのきっかけは、県内に支店を持ち、県が力を入れる宇宙産業との関係が深い三菱UFJ銀行と、有田市で100年以上の歴史がある伊藤農園がミカン果皮の新たな活用方法について検討を始めたこと。県と地域活性化への包括連携協定を締結するイオンとJAL、廃棄予定の食材を生かしてクラフトビールを製造するBTFが商品企画・販売に携わり、地域の未使用資源を活用した商品が誕生した。
原料となる有田みかんは、昨年8月に世界農業遺産に認定された「有田・下津地域の石積み階段園みかんシステム」でも注目されるブランド果実。
有田みかんクラフトエールは、果皮3%、アルコール分5%。果汁を20%使用することでビールの苦味が軽減され、アルコールが苦手な人でも飲みやすくなっている。缶のラベルには、有田みかんの畑と宇宙産業をイメージしたロケットのイラストに加え、県PRキャラクターの「きいちゃん」、「石積み階段園みかんシステム」のロゴをデザインした。
発売を前に、27日には関係者が県庁を訪れ、宮﨑泉知事に完成を報告。開発の経緯や商品の魅力を紹介した。
㈱三菱UFJ銀行和歌山支店の中川久之支店長は「弊社では循環型経済の促進につながるさまざまな取り組みを行っているが、食の分野での商品企画は今回が初めて。地域の活性化に貢献できれば」と話し、試飲した宮﨑知事は「果汁がこれほど多く入っているのはすごい。フルーティで飲みやすく、非常においしい」と笑顔だった。
イオンは2月21日、和歌山市ふじと台のイオンスタイル和歌山で発売を記念したイベントを予定している。


