カイロス3度目の挑戦 民間初の衛星の軌道投入へ

25日午前11時に和歌山県串本町の「スペースポート紀伊」で予定されているカイロスロケット3号機の打ち上げまで1週間に迫った18日、射場を運営するスペースワン㈱(東京都)はオンラインで記者会見し、搭載される5機の小型人工衛星の概要などを明らかにした。国内初の民間による人工衛星の軌道投入へ、3度目の挑戦での成功が期待されている。
3号機に搭載されるのは、テラスペース㈱(京都府京田辺市)、㈱Space Cubics(札幌市)、広尾学園(東京都港区)、㈱ArkEdge Space(東京都江東区)、台湾国家宇宙センター(TASA)による5機の人工衛星。
テラスペースは、自社の小型衛星に顧客から預かった機器を載せ、宇宙空間での運用機会を提供する「ホステッドペイロードサービス」の実施に向けた技術実証を行うため、大きさ55×60×76㌢、重さ約70㌔の小型衛星を搭載する。

他の4者の衛星は、キューブサットと呼ばれる10×10×30㌢程度の超小型のもの。広尾学園の衛星は高校生が開発、製造に取り組み、可視光通信によるメッセージ送信を今回の目的としている。
各者の担当者からは、国内で打ち上げができる利便性の高さや、宇宙事業への参入機会が広がることなど、カイロスに大きく期待する声が寄せられた。
3号機には県民からの公募やクラウドファンディングを通じて寄せられた応援メッセージを特製シールに刻印して貼り付け、成功を願う多くの人々の思いも宇宙へと運ぶ。打ち上げの53分35秒後から順次、衛星をロケットから切り離し、最後の衛星分離は54分01秒後を見込んでいる。
会見でスペースワンの豊田正和社長は「ロケットの商用利用を早期に拡大することで、誰もが宇宙に参入できる社会を切り開きたい。3号機はその未来に向かう重要な通過点だ」と述べ、人工衛星の軌道投入の成功へ決意を示し、「ミッションを達成することができれば、日本の宇宙産業、さらには業界全体のイノベーションにつながる」と意義を強調した。
打ち上げ当日は周辺の混雑が予想されており、JR西日本は、きのくに線の紀伊田辺―新宮間で臨時の普通列車8本を増発する。道路は、スペースポート紀伊の前後5㌔の国道42号が全て駐停車禁止となる。


