年代物も、梅酒の「長期熟成」

前号より、厳格な生産基準を設け製造される「和歌山梅酒」を取り上げている。地理的表示保護制度(GI)で、和歌山梅酒の使用と合わせて「長期熟成」の用語を使用することができる。条件は、定められた実施要項に基づいて少なくとも7年以上熟成させたもので、事前に管理機関の証明を受けること。長期熟成された和歌山梅酒。その味わいを紹介したい。
長期熟成した梅酒の魅力は、味わいがまろやかになること。梅の酸味と甘みが調和することで実現する。また、香りと風味が増し、色味も黄金色から深みのある琥珀色に変化することから、紹興酒を思わせるほどになることも。長期熟成の和歌山梅酒は県内のメーカーから複数販売され、15年以上の熟成期間を持つものもある。ボトルサイズで3000円台から販売されており、製法のこだわりが強いほど価格も増し、まるで年代物のワインのようだ。
読者の皆さんで、自家製の梅酒を造っている方も多いだろう。収穫した梅を漬けてから飲み頃になるまでの期間は1年から1年半程度とされるが、保管したまま時間が経過しているというケースはないだろうか。そもそも梅酒は35度以上の高いアルコールで造られるため腐敗せず、市販品であっても賞味期限を設けないというのが一般的。
しかし、自家製梅酒の場合、漬け込む際の消毒や保管状況により、梅酒が腐敗することがあり注意が必要。浮遊物や沈殿物がある、酸っぱいにおいがする時は飲むのを避けたい。保管時のポイントは冷暗所で温度変化が少ないこと。また、アルコールの蒸発や雑菌の侵入を防ぐため空気と触れないよう密封すること。
自家製で品質を維持することは難しいかもしれないが、年代物の梅酒に触れ、漬けた頃を懐かしむのも楽しみである。(次田尚弘/和歌山市)

