交流深化へ展望語る ウズベキスタンシンポ
中央アジアのウズベキスタン共和国と日本の外交関係樹立20周年を記念するシンポジウムが22日、 和歌山市のホテルアバローム紀の国で開かれた。 和歌山・ウズベキスタン文化交流親善協会(会長・島正博島精機製作所社長)が主催し、 両国の文化、観光、貿易などの活動に携わる6人が、 両国の歴史的な関係や今後の交流発展への展望などを語った。
和歌山と同国は、 繊維業が盛んで、 世界文化遺産を有する地域であるなどの共通点がある。 20周年を機に交流を深めようと、 約2カ月の短い準備期間で今回、 親善協会が設立されシンポジウムと記念の写真展の開催が実現した。
シンポジウムでは全国旅行業協会会長を務める二階俊博衆院議員が基調講演し、 同国の親日性を示す逸話を紹介。 第2次世界大戦後、 ソ連が抑留し、 同国で亡くなった約800人の日本人の墓をソ連が破壊するよう命じた際、 同国はこれに従わず、 土をかぶせて隠された墓は現在まで守られた。
二階議員は、 豊富な天然資源を有する同国との関係強化が日本の国益に寄与するとの考えを示したが、 「利益ではなく友情から付き合いを深めていくことが大事だ」 と述べた。
基調講演に続いてパネルディスカッションがあり、 下社学県食品流通課長の司会で、 二階議員、 島会長、 井手憲文観光庁長官、 林哲三郎日本貿易振興機構理事、 バヒリディノフ・マンスール・ウズベキスタン文化・芸術フォーラム基金代表理事が発言した。
井手長官は、 両国間に飛行機の直行便があるなど、 同国と交流する上でのメリットを強調。 林理事は、 両国間の貿易額が2000年からの10年間で倍増していることを挙げ、 経済交流の発展に期待感を示した。
島会長は、 島精機が持つ無縫製技術などを通じて、 同国の繊維業への貢献に意欲を示した。
マンスール代表理事は、 和歌山との交流をモデルに、 日本の他地域とも交流が深まっていくことに期待を寄せた。