橘の苗木を寄贈 起源ゆかりの橘本神社が玉津島神社に

日本に初めて伝来したとされるミカンの原種・「橘」(たちばな)を受け継ぐ和歌山県海南市下津町の橘本(きつもと)神社の橘の苗木が、和歌山市和歌浦中の玉津島神社に植樹された。
常緑の橘は古くから「不老長寿」や「永遠の繁栄」の象徴とされ、京都御所の紫宸殿に「左近の桜」とともに「右近の橘」として配されるなど、格式のある樹木としても知られる。
玉津島神社の境内には昨年12月、日本三大桜の一つとされる岐阜県本巣市の「根尾谷淡墨桜」(ねおだにうすずみざくら)の苗木が植樹されており、同神社では「(対になる)橘があれば」との思いがあったという。
一方、約1900年前にもたらされた橘の起源にゆかりがある橘本神社では、これまでに海南市の取り組みで、地元の歴史に親しんでもらおうと市内の小学校などへ苗木を寄贈してきた。今回の寄贈は、柑橘(かんきつ)の産地・和歌山の象徴的な樹木を、聖武天皇の行幸から「和歌の神様」として崇敬される玉津島神社へ受け継ごうと、歴史的な縁を結ぶかたちで実現した。
植樹された苗木(約1㍍)は、海南市の天然記念物にもなっている橘本神社の御神木を接ぎ木し、5年間育てたもの。同神社によると、日本に初めてもたらされた橘の遺伝子を継承しており、11月ごろには実がなって色づくという。
橘本神社の前山和範宮司は「ミカンの元である橘の認知度が県内に広まっていけばうれしい」と笑顔。万葉集には聖武天皇が橘を詠んだ歌が収められていることから、玉津島神社の遠北光彦宮司は「神社にとっても縁を感じる由緒ある橘を寄贈いただき、大変ありがたい。地域の皆さんや多くの人に親しまれ、互いの神社の繁栄にもつながれば」と話していた。


