県都の課題どうする 和歌山市長選6候補政策比較

任期満了に伴う和歌山市長選は終盤を迎え、届け出順に元県議の尾﨑太郎氏(61)、元市議の浜田真輔氏(64)、元市議の芝本和己氏(58)、元市長の旅田卓宗氏(81)、元県議の片桐章浩氏(64)、会社役員の幸前青空氏(25)の6人がしのぎを削っている。経済の活性化や子育て支援、公共交通の在り方など、市の主要な課題に対する各候補の政策、考えを紹介する。

公共交通

利用者減少により路線バスの減便などが相次ぐ中、高齢者の移動手段の確保などが課題。

尾﨑氏は低速で走る「グリーンスローモビリティ」の普及を挙げ、浜田氏は財政バランスを見極めながら、将来的な自動運転の導入を目指す考え。芝本氏は買い物、通院など移動の目的地を結ぶ交通形態にし、公費負担も必要とする。旅田氏はタクシーのようなミニバスを市内に展開するとし、片桐氏はアプリや電話で呼べる「オンデマンド乗り合いバス」の導入を掲げる。幸前氏は高齢者の社会参加を進める点からも、移動手段の対策を進めるとする。

産業・雇用

経済の活性化に向け、企業誘致か地場産業振興のどちらをより重視するかで見解が分かれる。

企業誘致を重視する片桐氏は、市がGX戦略の有望地域に選ばれたことを生かし、新産業誘致が地元企業への波及も生むと強調。旅田氏は全国の自治体との連携により「産業地方分散法」の制定を目指す。尾﨑氏は「和歌山ニット」のブランド化や木工、化学業などのブラッシュアップを図るとし、芝本氏は地場産業のブランディングとともに、地元消費を促す「バイローカル」の推進を訴える。浜田氏は魅力的な産業地域であることが企業誘致にも重要とし、大学などと連携した地場産業の磨き上げを重視。幸前氏は和歌山ニットや地元農水産物の魅力発信、販路拡大を図る。

観光振興

和歌山城周辺や和歌浦湾沿岸エリアなど豊富な観光資源をどう生かすか。

浜田氏は和歌山城の来場者数を指標とし、現在の年間二十数万人から増やし、さらに市内での滞在時間延長を目指す。芝本氏は徳川御三家の城という唯一性を生かして周辺に誘客し、宿泊を伴う観光となる工夫を図る。幸前氏も和歌山城の来場者数を増やすことを軸に、滞在型観光への転換を目指す。尾﨑氏は高級ホテルの誘致などで「グレイター和歌浦湾」として沿岸エリアの一体的開発を掲げる。片桐氏は米国マイアミビーチとの連携により、市内海水浴場を低コストでリゾート化すると訴える。旅田氏は和歌浦をマリンスポーツの拠点とし、キャンプ場や野外ステージを整備するとしている。

子育て支援

子育て世帯への直接的な資金手当て、施設やサービスの充実など、さまざまな手法が考えられる。

旅田氏は奨学金返済の全額支援や0歳児からの保育料無償化、保育園給食費の無償化を提示。浜田氏は少子化の動向などに左右されやすい手法より、現金給付が効率的で弾力性があるとする。片桐氏は成長段階に応じてサービス、現金給付の両方が重要とし、市内進学時の経済負担軽減を訴える。芝本氏は預かり場所や相談体制、支援サービスを充実させ、地元の人材や業者が担うことを目指す。尾﨑氏は子育てを「素晴らしい体験」と語れる市に向け、個々の困り事に応じた手当てが必要とする。幸前氏は子どもを産み育てる気持ちになれるよう、若者が働きやすく、子育てしやすい環境整備の推進を掲げる。