がん対策推進へ連携 和市とmichitekuが協定

協定書を手に尾花市長㊨と藤山社長
協定書を手に尾花市長㊨と藤山社長

和歌山市は7日、がんに関する情報提供サービスを手がける㈱michiteku(東京都中央区)と「がん対策推進に関する連携協定」を締結した。同社の情報発信力などを活用し、がん検診受診の啓発やがん患者への支援を行い、市民の健康づくりを推進する。同社と自治体との連携協定は全国初で、市にとっても同業種の企業との協定は初めてとなった。

市によると、市内のがん検診受診率は低い水準が続いており、2024年度の全国62の中核市の比較では、胃がん43位、肺がん45位、大腸がん52位、子宮頸がん40位、乳がん32位にとどまっている。がん患者の外見変化に対する「アピアランスケア」などの支援の充実も課題となっている。

michitekuは、抗がん剤事業を主力とする小野薬品工業㈱(大阪市)が100%出資する子会社。医薬品だけでは解決できない生活上の課題の支援などを目指しており、がんの知識や患者の体験談、治療中の生活のこつなどの情報を発信するサイト、治療と日常生活の両立をサポートする通院日管理アプリの運用の他、全国のがん拠点病院を通じた情報提供などにも取り組んでいる。

今回の協定では、①がん対策事業の周知・啓発②がん対策事業の利用促進③がん対策事業の利用阻害要因等の調査・課題分析――などの事項で連携を図る。

締結式は市役所市長室で行われ、尾花正啓市長と同社の藤山昌彦社長が協定書に署名。市と同社を仲介した戸田正人市議らも同席した。

尾花市長は自身のすい臓がん闘病体験を踏まえ、「早期発見・早期治療が大事だということは身をもって体験している。がん検診の受診率を上げていきたいし、がんになっても社会参加できる環境づくりが非常に大切だ。協定締結は大変うれしく、心強く感じている」と期待を寄せた。

藤山社長は「治療は当然大事だが、副作用の影響や仕事への復帰など、医薬品だけでは解決できない困り事に対処したい」と述べ、江戸時代から医学の藩校を設けていた和歌山の歴史にもふれ、「和歌山市が自治体として第1号のパートナーとなり、スタートできることは感慨深い」と話した。