やさしい日本語で防災 白浜で外国人向けイベント

和歌山県国際交流センターは5日、外国人との共生社会の実現に向け「令和8年度多文化共生イベントin白浜町(やさしい日本語研修会&地域の外国人と防災イベントで交流しよう)」を開いた。
役場や町消防本部、ホテルの外国人従業員らが参加し「やさしい日本語講座」や救命講習、地震発生時の対応などを学び、交流会で親睦を深めた。
毎年、同センターが、やさしい日本語研修会と交流会を開く中で、「有事の際に役立つ顔の見える関係づくりをしよう」と、初めて防災を取り入れた内容となった。
同町には約642人(9月末時点)の外国人が在留する。ネパールや中国、インドネシアなど国籍は多国にわたり、在留者は増加している。観光地であり、外国人の救急搬送者も多く、地震を経験したことがない人もいる。
「やさしい日本語講座」では、『入門・やさしい日本語』認定講師の友岡敦さんが、「はっきり、最後まで、短く言う」を心がけた「はさみの法則」を紹介。
「大雨警報」は「たくさん雨が降ります。危ないです」と、情報を分けて整理することが大切だと伝えた。友岡さんは「伝わったかどうかが大事。外国人だけでなく、障がい者や高齢者にも使える」と話し、防災に関しては「あいさつだけでもいいから近所の人と仲良くしてください」と述べた。
救命講習では、人が倒れていることを想定し、参加者は消防本部の署員から心臓マッサージやAED(自動体外式除細動器)の使い方を学んだ。
1人ずつ人形を使用して、肩を叩いて呼びかけ、呼吸をしているかの確認の後、胸の真ん中に手を置いてマッサージを実践した。他にも119番通報など周囲への声かけも学び、参加者はメモを取るなど懸命に耳を傾けた。飲食店で働く中国出身のスンチェンリーさん(36)は「心臓マッサージを初めてした。分かりやすくて、いざという時もできる。とても勉強になった」と笑顔だった。
同町町長公室の亀田拓哉主査は「外国人が防災を学ぶ機会がなかなかないので良い機会だった。やさしい日本語は福祉にも活用でき、職員にも周知したい」と話した。同町消防本部の川上誉消防課長は、2025年の救急搬送者数2346人のうち29人が外国人だったとし、「体調不良などで救急搬送する外国人旅行者が増えてきていて、翻訳機を使用して対応していた。『はさみの法則』は、職員にとっても学びになった」と述べた。

オンラインで学習 日本語教室開催中
同センターでは、10月からオンライン日本語教室が始まっている。ひらがなやカタカナを読むクラスや、入門、初級クラスなどがあり、無料で受講できる。
県内に住んでいる18歳以上が対象で、プロの日本語講師が教える。スケジュール確認や申し込みは同センター(℡073・435・5240)まで。


