和歌山市議が予定地視察 産廃処分場計画

 和歌山市滝畑と上黒谷にまたがる山間部に産業廃棄物最終処分場の設置が計画されている問題で、市議会厚生委員会(井上直樹委員長、9人)は6日、産廃の埋め立て予定地と、その下流に当たる滝畑地区の上水道取水口の周辺を視察に訪れた。

 業者から市に正式な事業計画は提出されていないが、現在の構想によると、処分場の規模は面積約12㌶、容積約230万立方㍍。農業用のため池「南谷池」周辺の森林を伐採し、産廃を埋め立てるとされている。

 同委員会の市議らはまず、調整池や水処理施設の建設、埋め立てが予定される南谷池周辺を訪れ、続いて、滝畑地区の上水道取水口の周辺へと移動。滝畑川の伏流水をくみ上げているポンプ施設や、南谷池から流れ、取水口の上流で滝畑川に合流する篠谷川などを視察した。

 地元住民は、計画反対の理由の一つに滝畑川の水質汚染の懸念を挙げている。業者側は処分場の影響を受けないよう取水口を上流に移設する方針を示したが、現在の取水口は住民が土地を提供して平成15年に設置されたばかりであること、周辺の汚染の心配はなくならないことなどから、住民は強く反発している。

 視察を終えて井上委員長は「産業廃棄物の軸内処理は和歌山市、県にとって大きな問題と認識している。委員会としてもいろいろな面で調査、研究をしていきたい」と述べた。

 山口地区連合自治会の園部尚正会長は「どこまで実態が理解されたかは分からないが、市議に現地を見てもらえてありがたい。今後の議論を深める一歩になる」と話していた。