能面師の久保さんに和歌山県名匠表彰

 伝統ある工芸品や生活用品の制作技能などを保持する優れた技術者に贈られる平成24年度 「県名匠表彰」 に、 和歌山市吹屋町の能面師・久保博義さん (72) が選ばれた。

 久保さんは県立和歌山工業高校で教師をしていた33歳の時に大阪府箕面市の能面師・摂津一観さんの下で修行を始め、師の没後は能面文化協会代表となり、 能面制作に励む一方で指導的役割も果たすようになった。

 確かな技で制作された久保さんの能面は高く評価され、 能楽師の小林慶三さん、 松井彬さん、 金春欣三さんらが能舞台で使っている。

 また、 紀州東照宮の例大祭・和歌祭の 「面掛行列 (百面)」で長く使用され、 破損していた古面の修復や新面の奉納を手掛け、「雑賀踊」 の演者による 「鬼面」制作の指導にも尽力している。 伝統文化である能や能面の普及、 文化財の修復・保存に果たした大きな功績が評価されている。 表彰式は20日に県庁で行われる。