国経済対策で公共投資増 和歌山県当初予算案
県は13日、総額5672億円の平成25年度一般会計当初予算案を発表した。前年度当初比1・3%減だが、国の経済対策を受けて組まれる24年度2月補正分385億円を含めた実質的な「13カ月予算」では総額6057億円、同5・4%増の積極型予算となる。公共投資を増額する一方、人件費の削減などを引き続き行い、収支不足は新行財政改革推進プランの目標通りの9億円(前年度17億円)に縮小した。20日開会の2月定例県議会に提案される。
新政策の重点テーマは、 前年度と同じ 「安全」 「安心」 「挑戦」 の3つを掲げ、 南海トラフ巨大地震の備えなどの防災、 がん対策や子育て支援の強化、 道路ネットワークの整備などに力を入れる。
仁坂吉伸知事は 「国の経済対策を効果的に活用し、 公共投資などに積極的な予算措置ができた」 と話している。
【歳入】
県税収入などの自主財源は2199億円、 依存財源は3473億円で、 自主財源比率は前年度と同じ38・8%。 自主財源のうち県税収入は、 税制改正や景気低迷などの影響で1・6%減の788億円を見込んでいる。 依存財源は、 地方交付税と臨時財政対策債の合計が2・5%減の1961億円で、 小泉政権の三位一体の改革で減額が続いた16~19年度以来の下げ幅となった。
県債発行額は8・8%減の876億円で、 県債依存度は1・3ポイント改善の15・4%。 県債残高は25年度末見込みで過去最高の1兆15億円に達する。 地方交付税で措置される臨財債などを除いた通常債は6271億円で、 県民1人当たり約66万円の借金を抱える計算となる。
財源不足の9億円は貯金に当たる県債管理基金を取り崩して対応する。 同基金と財政調整基金の残高は、 25年度末で208億円で、 新行財政改革推進プランの目標191億円よりも改善している。
【歳出】
義務的経費は1・0%減の2297億円で、 歳出全体に占める割合は40・5%。 このうち人件費は、 職員定数の57人削減や退職手当の減額などから2・3%減の1434億円。 県債の返済などに充てる公債費は1・0%増の733億円となっている。
政策的経費のうち、 建設事業費などの投資的経費は9・9%減の1144億円だが、 13カ月予算で見ると17・3%増の1488億円。 内訳を見ると、 普通建設単独事業費は国体関連施設の整備費などが増えたが、 全体では3・2%減の243億円。 普通建設補助事業費は、 道路改良や河川整備費用の大幅増で18・9%増の894億円。 災害復旧費は4・8%増の134億円となっている。