小西博之さん迎え かいなん人権フェス

 人権について考える 「かいなん人権フェスティバル2011」 がこのほど、 海南市下津町下津の市民交流センターで開かれ、 約350人が参加した。 市人権尊重推進協議会などが主催。 この日は末期がんから生還した田辺市出身の俳優、 小西博之さん (52) が 「生きている喜び」 をテーマに語った。

 講演では、 欽ちゃんファミリーの一員である小西さんが、 萩本欽一さんから教わった考え方を紹介。 幸せと不幸は誰しもに均等に用意されているといい、「1等の宝くじが組違いで当選額が10万円に下がって悔しいと思うのか、 10万円も当たってうれしいと思うのか、 考え方次第で人生は楽しめる」 と語った。

 小西さんはがんの克服についてもその思いを語った。 平成16年12月、 体調不良から精密検査を受けたところ、左の腎臓に大きながんを発見。 医師から 「末期がんで余命3カ月」と宣告されたが、 持ち前のポジティブさで、手術後はテレビ番組の 「徹子の部屋」 に出るぞと決めたという。

 また、 がんを克服して5年目からは、 闘病記を歌にして和歌山から自殺する人をなくそうとする活動も展開。この日は同歌の作詞作曲をした白浜町出身のシンガーソングライター、 古家学さん (37) と小西さんが 「いのちのうた」 を来場者と一緒に歌い、 命の大切さを呼び掛けた。

 小西さんは最後に、「生きていることが奇跡なんです。 われわれ大人が、 きょうもこうやって生きているって感じることを、 子どもに伝えていかないといけない。 そうすることで子どもたちは救われると思う」 と強く訴えた。

 また、 この日は市が人権について考える作文を募集した 「男 (ひと)と女(ひと)の声」の表彰式も行われ、 入賞者5人に賞状が手渡された。