農家憤り「農道遮断同然」 西脇山口線
昨年、一部供用開始された和歌山市内の都市計画道路「西脇山口線」をめぐり、道路付近に田んぼや畑を所有する農家が「県に農道を遮断同然にされた」と憤慨している。工事を担当する県海草振興局工務課は「苦情は受け付けており現在、改善できるかどうか検討中」と説明する。
問題の場所は、昨年7月に供用開始された同市宇田森などを通る東西1・2㌔の4車線道路。
不満を募らせているのは、新道路南側にある田んぼや畑を所有する農家ら。憤慨する農家の一人、前田忠雄さん(78)によると、農道は昭和45年ごろ、農業機械の大型化などで整備が必要になり、前田さんらが中心になって、地元農家の承諾を取りまとめ整備につなげたという。
今回の工事で、農道西側がこれまで接続していた県道紀伊停車場田井ノ瀬線の手前約100㍍で新道路に接続された。車道に出ると中央分離帯があるため、横断はできず西向きの一方通行。また農業機械は速度が遅いため、勢いよく走る車と合流することは危険を伴う。
県は事前に地元住民らを集めて説明会を開いたが、前田さんは「説明会後に、新道路と農道との接続の説明は一つもなかった」と主張している。前田さんは今後、県道紀伊停車場田井ノ瀬線につながる何らかの対策実施に向けて県に要望を続ける考え。