版画家・吉原英雄展 19日から近代美術館
戦後日本の美術史に、 版画家として大きな足跡を残した吉原英雄(1931~2007)の画業を回顧する企画展 「吉原英雄展 画家のドラマ」 が19日から来年1月15日まで、 和歌山市吹上の県立近代美術館で開かれる。 初日は記念講演会も開かれる。
吉原は広島県生まれ。 物語性を秘めた叙情的な表現で評価を受けるが、 抽象的な画面へ作風を展開。 60年代後半には石版と銅版を同時に用いた表現を開拓して緊張感のある表現を生み出した。
それらは国内外で高い評価を得、 第9回サンパウロ・ビエンナーレ日本代表、 第8回現代日本美術展優秀賞、 第6回東京国際版画ビエンナーレ展文部大臣賞などを受賞。 その後もさまざまな表現を試み、 ドラマ性のある作品を通して人間の在り方を描くことに挑み続けた。
同展は、 存命であればことし80歳を迎える吉原の没後5年を記念する催し。 没後アトリエに残された作品と、 同館コレクションを中心に紹介する。
午前9時半から午後5時。 休館は月曜日(ただし1月9日は開館、 翌10日休館)と年末年始(12月29日~1月3日)。 一般500円、 大学生300円、 高校生以下・65歳以上・障害者・県在住の外国人留(就)学生は無料。 また、 「関西文化の日」 の11月19、 20日は入場が無料となる。
友の会版画プレゼント記念講演会 「制約は力―父と私」 は19日午後2時から同館2階ホールで。 講師は版画家吉原英里さん。
学芸員の展示解説 「フロアレクチャー」 は20、 23日。 12月4、 23日。 1月9、 15日。 いずれも午後2時から展示室で(要観覧券)。
問い合わせは同館(℡073・436・8690)。