皇后杯へ競技力強化を 国体女子委員会を設置
女性アスリートの活躍で国体優勝へ――。紀の国わかやま国体の県競技力向上対策本部は、女子競技の戦略的な強化方法を検討する「女子委員会」を各競技団体内に立ち上げた。22日には各委員会の代表による第1回委員長会議が和歌山市の県民文化会館で開かれ、元全日本女子ソフトボール監督の宇津木妙子さんの講演や、競技の枠を超えた意見交換などが行われた。
県競技力向上推進課によると、県は紀の国わかやま国体での天皇杯(総合優勝)と皇后杯(女子総合優勝)の両方の獲得を目指しているが、強化が必要な大きな課題の一つに女子競技の順位、獲得点の低さがある。
近年の国体の成績を見ると、県の総合成績は平成23年山口大会、24年岐阜大会、25年東京大会が順に43位、21位、17位なのに対し、女子総合成績は45位、37位、26位と順位は上げているものの、総合成績を下回る状況が続いている。
女子の競技成績による得点は、昨年の東京大会で39競技中11競技での獲得にとどまる計190点。県は、ことしの長崎大会で目標とする16位には280点、来年の地元開催で1位となるには800点の競技得点が必要とみている。
第1回委員長会議には、女子委員会を立ち上げた32競技団体の代表が出席。冒頭、競技力向上推進課の星香里課長は、昭和46年の黒潮国体での県の女子総合順位は2位だったことに触れ、悲願の皇后杯獲得を呼び掛けるとともに「国体を契機に和歌山でも女性アスリートがどんどん活躍する環境を作りたい」と話した。
宇津木さんは「夢の実現~女子選手をいかに鍛え、育てるか」のテーマで講演。ソフトボール選手としての自身の現役時代の経験から、日本代表を率いてシドニー、アテネと五輪2大会連続のメダル獲得に導いた指導者としての経験まで幅広く話した。「一人ではできないが、一人で頑張らなければならない」集団スポーツの難しさや、社会人が仕事と競技を両立させる厳しさなども語った。
講演後、参加者は個人競技、集団競技など6つのグループに分かれて討論。各競技の現状を紹介し合い、共通する課題や他競技にも生かせる取り組みなどを学び合っていた。