犯罪被害者支援で表彰 岩橋延直さん

 17年間にわたり県内の犯罪被害者支援活動に尽力したとして、県と県警は11日、公益社団法人「紀の国被害者支援センター」前理事長、岩橋延直さん(79)=和歌山市陰山丁=に感謝状を贈った。

 岩橋さんは、歯科医師の傍ら、これまで支えてくれた社会に恩返しがしたいと、平成9年5月、民間組織として全国6番目の同センターを設立し、初代理事長に就任。翌年には、同市園部地区で「毒物カレー事件」が発生したことから、被害者のために昼夜問わず支援活動を行った。

 被害者支援の他、中学生を対象にした「命の授業」を展開するなど、さまざまな方面で、犯罪のない社会や犯罪被害者のために尽力。同22年には、公益社団法人に認定。翌年には、県警から「犯罪被害者等早期援助団体」に指定され、県警と連携を取りながら活動を強化している。現在は、役員と相談員を合わせて56人体制で支援を行っている。

 感謝状は、県庁で仁坂吉伸知事、県警本部で下田隆文本部長がそれぞれ手渡し、組織の先頭に立って運営を軌道に乗せた功績をたたえた。岩橋さんは「80歳の節目に、次の世代に運営を託しました。今後は、後方からのアドバイスなどで組織や犯罪被害者の力になりたい」と、感謝状を受け取り喜んだ。