貴志駅に「たま」献花台 ファンら弔問

 和歌山電鐵貴志川線で駅長として愛され、22日に死んだ三毛猫たま(メス、16歳)の訃報は国内の他、海外にもニュース配信され、その死を惜しむ声はさらに広がりを見せている。たまの社葬は28日午後0時半から、貴志駅(紀の川市貴志川町神戸)の駅舎内で営まれる。

 社葬は神式で執り行い、葬儀中は同駅コンコースが使用できなくなるが、ホーム和歌山寄りの出入り口は利用できる。玉串料や御供物、供花などは辞退する。

 たまの訃報が発表された翌25日の朝には、同駅舎内の駅長室前に献花台が設置され、ファンらが訪れては花束などをささげ、冥福を祈っていた。

 大阪府泉大津市から訪れたという主婦の出山智花さん(34)は「祖母が大のたま駅長のファンだったので、残念。和歌山のアイドルとして頑張ってくれました」と惜しんだ。

 30年以上前から、駅近くでたこやき店を営んでいる西田涼子さん(66)は「貴志川線を廃線の危機から救った功績は尊敬しています」と敬意を表した。

 同駅でたま駅長に関する焼き菓子を納品していた洋菓子やカフェの店「アミ」(岩出市山)のシェフパティシエ、蒲池昭寛さん(43)は「テレビカメラを向けられると表情を変えるたまは、本当に女優のようでした。いなくなって偉大さを感じますね」と振り返っていた。

手を合わせてたまの冥福を祈るファンら(貴志駅)

手を合わせてたまの冥福を祈るファンら(貴志駅)